目からウロコのレイヤーズ経営通信 第42号「世の中デジタル化(IoT、ICT)が流行っていますが、その前に -Part2」

デジタル化(IoT、ICT)とは、新たなビジネスプロセスや  ビジネスモデルを構築することであり、「ビジネスとしての儲ける」ことです。 この認識を持たない限り、多くの企業が陥っている落とし穴にはまってしまいます

前回、デジタル化(IoT,ICT)を推進する場合、「なんのために」が重要だと説明しました。「なんのために」とはどういうことなのか、解説したいと思います。企業活動の主要な目的の一つは「利益をあげる」ことです。今よりも売上を 増やすかコストを下げるか、そのために自社にどんな課題がありそれをどう 解決するのか、新たなビジネスモデルやプロセスを構築し、製品の付加価値 向上や業務オペレーションを進化させるのです。デジタル化は、様々な機械や設備同士をつなげてデータを収集することが目的なのではなく、「利益をあげる」ための自社の課題解決の手段なのです。多くの企業はこの認識を持たずに落とし穴にはまっています。

すなわち、工場であれば大量のセンサーを設置し、様々な機械や設備同士を つないでデータを収集してみたものの、「どんな課題をどう解決して利益を あげるのか」が不明確なため、「一部しか活用できていない!」という状況になるのです。デジタル化はコストがかかります。大量にデータを収集しても 活用しなければ(収益に寄与しなければ)、結果的に収益を悪化させてしまいます。 

2017年4月にシスコシステムズが行った調査(回答者1,845人)によると、携わったIoTプロジェクトが成功した企業や組織は、全体の26%にとどまっており、 全体の60%はPoC(Proof of Concept:概念実証/導入前実機検証)の段階で行き詰まっています。なお、完了したプロジェクトも、その3分の1は「成功したとは考えられていない」ということも明らかになりました。 

失敗しないためには、企業や部門で抱える「利益に直結するKeyとなる 経営課題」を明確にし、どう解決するのかをまず固めることが必要です。デジタル化はその解決策を実現する一つの手段でしかありません。場合によっては、デジタル化ではなく、人を増やしてマニュアルで対応する方が 有効かもしれません。デジタル化は万能ツールではないのです。

次回はデジタル化を成功させるためのもう一つの「その前に」を解説します。   

 

                                                                        株式会社レイヤーズ・コンサルティング 
                                                                  SCM事業部 ディレクター 
                                                                        東 多聞