第13号:コストダウン活動とコストマネジメントとの完全連動化(その3)

コストダウン活動とコストマネジメントとの完全連動化(その3)「データ連動」

グローバル全体で利益を極大化するためには、以下の3点が重要と考えます。

①最適地生産・メーカーレイアウトのシミュレーション
②コストダウン活動とコストマネジメントとの完全連動化
③海外拠点に対する利益管理システムのロールアウト 

今回は、②コストダウン活動とコストマネジメントとの完全連動化のポイントについて、議論させていただきます。

利益を最大化するためには当然ながら各拠点のコストダウンを強力に推し進めなければなりません。しかし、現実には現場でのコストダウン活動と原価管理部門や経営層のコストマネジメントが連動しておらず、コストダウンが思うように進まないケースが散見されます。

コストダウン活動とコストマネジメントの完全連動化には、以下のポイントがあります。先週に引きつづき、今週は(3)データ連動について解説します。

 (1)製品連動
(2)プロセス連動
(3)データ連動
(4)タイミング連動

 (3)データ連動
コストマネジメントには、コストテーブル(コスト原単位情報等)、部品表、最新部品単価、実際部品使用量、歩留率・仕損率、チャージレート、ST(標準時間)、AT(実際時間)、標準原価、実際原価等の各種のデータが必要です。
これらのデータは製品や製造の状態を表す基礎情報であり、このデータを介して現状の状況把握や各種の意思決定を行っています。しかし、これらデータが開発・生産・販売の各活動やコストダウン活動に合わせて適時適切に把握あるいは改定されていないケースが非常に多いのが現状です。

例えば設計変更を行えば部品の構成は変わりますし、現場改善を行えばST(標準時間)も変わります。
習熟度が上がれば歩留率や仕損率も変わります。人の増減や稼働日が変わればチャージレートも変わります。
もちろん活動の結果として把握されるAT(実際時間)実際部品使用量は日々製品別ライン別指図別に異なります。

これらの現場の実態を反映しない古いデータやコストダウン活動の結果を反映しない実態と異なるデータで
コストマネジメントを行っても、適切な課題把握や原因分析、ひいては適切な意思決定を行えるはずがありません。

従って、製品の実態や活動とデータが連動するというのはコストマネジメントの必須条件となります。
よく当社は標準原価を採用してキチンとコストマネジメントを行っているという企業があります。
しかし、年1回しか改定されない標準原価を使ってもコストダウン活動の成果は適時把握できません。

もし標準原価を使ってコストマネジメントをするのであれば、最低でも毎月標準原価は改定していくべきでしょう。もちろん実際原価を把握し、差異を詳細に(費目別・組織別・ライン別・製品別に)分析すること必須です。

次回は引き続き②「コストダウン活動とコストマネジメントの完全連動化」の4つ目のポイント(4)タイミング連動について、議論させていただきます。

(SCM事業部 マネージャー 緒方美樹)