営業のリスキリング

世の中には、約600万人もの営業担当者が存在しています。営業は、企業における売上づくりと顧客接点を直接担う重要な機能でもあり、営業が従業員数や固定費の50%を占めている企業もざらにあります。営業が顧客にどれだけ価値提供できるかが、企業の明暗を分けると言っても過言ではありません。ただ、果たして、顧客に価値を認めてもらえている営業は、うちどの程度いるのでしょうか?
結論的にいうと、かなり少ないというのが実情です。またコロナ禍により営業の主戦場だった「対面商談」の場が限定され、その価値は拍車をかけて問われています。営業担当者として価値ある領域とは、どこなのでしょうか。その1つがコンサルティング営業だと考えています。

コロナ禍で、影響の二極化が加速

セールステックと言われるデジタルサービス・ツールが浸透し、営業業務がデジタルに置き換わる中、営業担当者としての価値がある領域が着実に狭まってきています。さらに、その浸透は、新型コロナ影響により、リモートワークやオンライン商談をきっかけに、着実に加速化してきています。
特に、営業の主戦場であった対面商談は、新型コロナへの忌避から敬遠され、あえて対面にするには「大儀」が求められるようになっています。すなわち、従来までの御用聞きや表敬訪問はご法度であり、ホスピタリティ・足腰による営業はそもそも価値を発揮できない状況に追い込まれているのです。事実、オンライン商談下でも、受注を獲得できている営業担当者と、そうでない営業担当者とで、大きく二極化してきています。

【図1】対面商談に対する顧客・営業に対するアンケート結果

営業リスキリングを実行する上での重要視点

営業担当者として価値ある領域の1つがコンサルティング営業だと考えています。いま営業担当者に求められているのは、顧客が認識できていない潜在的な課題まで発掘できる「真のコンサルティング営業」だと考えます。価値ある営業担当者に変革するためには、抜本的な知識・スキル・行動モデルの再構築が必要と考えます。

向かうべきは「真のコンサルティング営業」

営業担当者として価値ある領域とは、どこなのでしょうか。その1つがコンサルティング営業だと考えています。コンサルティング営業へのシフトはアメリカにおいて特に顕著です。米Forrester社の2015年レポート「The Death Of The B2B Sales」では、基本的に営業マンは減少予測となっていますが、その中で唯一、増加予測となっているのがコンサルティング営業です。

 

ただ、日本でも、数年前にコンサルティング営業ブームがありましたが、それとは何が違うのでしょうか。従来までは、プロダクトアウト的な売り方は止め、顧客ニーズに合う商品・サービスを提案していこうという、言わばマッチング営業のようなものだったと捉えています。ただ、そのレベルであれば、情報・デジタル環境が発達した現在であれば、顧客がセルフで十分に行うことができ、価値は低いと言えます。いま営業担当者に求められているのは、提案において、顧客が認識できていない潜在的な課題まで発掘できる「真のコンサルティング営業」だと考えます。

【図2】これから求められる真のコンサルティング営業の方向性

全く新たなスキルセットの形成が必要

「真のコンサルティング営業」を実現するためには、何が必要となるのでしょうか。それは、コンサルティングプロセスを実行するためのコンサルティングスキルの形成と、インプットとして必要な情報を駆使するデータ武装化の大きく2点だと考えます。

 

まず、コンサルティングスキルについてみると、必要となるスキルセットは、従来のものとは大きく異なります。すなわち、従来の営業がヒューマンスキル中心であるのに対して、コンサルティング営業で必要となるのは、より上位の、コンセプチュアルスキルです。実際に、とある企業で営業担当者のアセスメント&クラスタリングを行った結果、同じ営業でも、コミュニケーション型とコンサルティング型の大きく2系統に明確に分かれました。

 

ただ、コンサルティング型は、ごく一握りであり、従来の営業と別人種といっても過言ではありません。人種が違えば当然、人材開発も従来とは全く異なるものを作りあげていく必要があるのです。

【図3】営業担当者のアセスメント&クラスタリング結果

デジタル時代の営業に求められるデータ分析力やコンテンツ構築力

コンサルティング営業において、ファクトを押さえることは基本であり、一方、ファクトとして活用できるデータは、いまや多種多量、ある意味、無数に存在すると言えます。ただ、データは、どの企業でも簡単に入手できるが故、活用できない企業・営業は、それだけで後塵を拝してしまいます。
各企業では、こうしたデータを営業で活用するため、データ専門部隊を配置、または、データに基づく将来予測システムを構築といった、データ武装化を行っています。しかし、こういったスキルを営業個々人で開発するには多大な時間を要してしまうため、組織的なナレッジマネジメントも必要となります。最前線の営業は、ナレッジを使いこなし、または自ら分析を行い、顧客の気づかない課題を提起していくことが求められます。

【図4】営業ナレッジCoEによる品質・スピードの向上

レイヤーズの営業リスキリングの変革ポイント

レイヤーズでは、営業のリスキルに向けて、これからの時代に求められる真のコンサルティング営業の必要となるスキルを再定義し、教育プログラムの構築および実施、アセスメント、実行に向けた仕組や組織の再構築などを行い、トータルに営業行動の変革を実現していきます。

【図5】営業リスキリングにおける変革ポイント

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