S&OP、グローバルPSI

外部環境の不確実性が増す中、市場の変化に追随するためには、経営の意思決定を現場へ迅速に反映することでサプライチェーンの最適化を図るS&OP(Sales and Operations Planning)の高度化が求められています。
当社では、PSI(Production(生産)/Sales(販売)/Inventory(在庫))実績情報の吸い上げ、実績情報を基とした経営判断(受注可否判断、生産調整、戦略在庫補充判断など)、経営判断を基としたPSI計画への反映、の流れをグローバルかつハイサイクルで実行する仕組み・体制・業務構築を支援いたします。

S&OP、グローバルPSIの必要性

従来の製造業では、ある程度変化の予測が可能な環境下で生産・調達活動を行えていたため、個社単位かつ現場主体でPSIを回していました。
しかし昨今の、世の中の変化が大きく先読みし難い、かつ正解の無いVUCA時代においては、消費者ニーズの多様化や競合企業との競争激化、地政学的要因など様々な外的要因により、非常に不安定な環境下での生産・調達活動を強いられており、個社や現場の範疇を超えて、随所に経営判断を織り交ぜながら軌道修正を行う必要があります。
そのためには、変化を素早く察知し、経営判断に必要となる金額ベースでの情報の吸い上げ、経営判断を早期に現場へ反映する、などといった各種変動に対して流動的に即応できる体制をグローバルかつハイサイクルで構築することが求められています。

【図1】VUCA時代に備えたS&OPの構築

S&OP、グローバルPSIを構築する上での重要視点

VUCA時代において各種変動に対して流動的に即応できる体制を構築するには、グローバルでの各種情報の単位統一や情報連携基盤の構築と、細やかな意思決定を可能にするための業務プロセス・遂行体制の構築が重要です。
具体的な重要視点3点を挙げます。
 
① 計画策定/実績管理単位の統一
② グローバル情報基盤の構築
③ 評価・見直しサイクルの体制・プロセス構築

計画策定/実績管理単位の統一

S&OPのプロセスでは、各事業/機能部門の計画が全社計画と常に整合が取られていることが求められますが、実態としては社内のプレーヤーによって、計画/実績の捉え方/積み上げ方が異なっているため変動発生時の更新に大きな労力がかかり、結果として情報鮮度を失ってしまうケースが散見されます。
情報鮮度を保った状態で経営判断に資する情報を適宜提供していくためには、製品/地域/事業セグメントといった計画/実績の管理単位を共通に設定しておくことで予め情報の連動性を高めておくことが重要です。

【図2】計画策定/実績管理単位の統一

グローバル情報基盤の構築

これまでの情報管理では各個社・部門の業務効率性を求めた結果、グループ・グローバルで見た場合に情報が分断されているケースが散見されます。個人や部門・拠点毎に属人的に管理された情報ではスピード感を持って統一的な判断を下していくことはできません。
個社・事業の特性と既存の仕組みを見極めつつ、グローバルかつ一貫性のある情報基盤を構築し、必要なタイミングで情報を意思決定に利用できる環境づくりが重要です。

【図3】グローバル情報基盤の構築

評価・見直しサイクルの体制・プロセス構築

S&OPで情報取得とともに重要となってくるのが、計画自体の評価・見直しです。
今までのビジネスシナリオや計画は、一度策定された後に進捗は確認するものの、「計画自体」が適宜見直しされることは稀でした。
これからは日々状況が変化することを念頭に、一度策定したビジネスシナリオや業務計画であっても定期的に評価を行い、必要に応じて見直しをかけていくことが重要です。
さらにいえば、見直しをかけることを前提に、見直すためのプロセスや体制をあらかじめ具体的に作りこんでおくことが重要です。

【図4】評価・見直しサイクルの体制・プロセス構築

レイヤーズのS&OP、グローバルPSIの構築ステップ

既存の計画策定方法を前提として、現場活動との乖離した状態で計画の連動性だけを向上させても意味がありません。まずは実態のサプライチェーンや業務を明確に捕捉した上で、現場活動と地続きでの計画連動を目指す必要があります。
また、S&OPは事業・部門を跨いだコラボレーションの結果であるため、計画見直しプロセスや速報として捕捉していくレベルについてはトップも含め関係者との丹念な擦り合わせが重要です。

【図5】レイヤーズのS&OP、グローバルPSIの構築ステップ

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