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VUCA時代のプロアクティブマネジメント
~一寸先の闇を読む経営~

計画が陳腐化するからこそ予測が重要

VUCAと呼ばれる環境変化が激しい時代においては、従来のPDCA型マネジメントからOODA型マネジメントへの変革が求められています。即ち、このような状況においては、一度立てた計画がすぐ陳腐化してしまうので、変化を即座に把握し、進むべき方向を予測し、そこにアジャストすることが必要です。換言すれば常に一寸先を予測し続ける経営(プロアクティブマネジメント)が必要と言えます。

今回は、こうしたVUCAの時代プロアクティブマネジメントのポイントと事例をご紹介します。

【図】PDCAからOODAへ

【図】PDCAからOODAへ

プロアクティブマネジメント(Proactive Management)とは

プロアクティブマネジメントとは、情勢の変化・予兆を的確に読み取り、実績値をベースに未来予測やシミュレーションを実施し、目標達成のために現場―ミドルートップが一体となった改革をしていこうとする考え方です。

【図】プロアクティブマネジメントのイメージ

【図】プロアクティブマネジメントのイメージ

一般にメーカーでは、販売計画、生産計画を調整する生販調整会議を毎週実施していることが多いと思います。そこでは、3か月~半年先の需要を予測し、販売計画を修正し、それらにアジャストするよう生産計画、購買計画などをアップデートしています。しかし、これらの情報が経営情報として十分活かされていないのが実状です。折角、生販調整で計画をアップデートし先読みしても、経営計画のアップデート、着地見込のアップデートに活用されていません。

プロアクティブマネジメントは、こうした現場の先読み情報を経営レベルまで活用し、変化の方向を予測し続ける経営と言えます。

生販在計画(PSI計画)と経営計画立案・予測の連動

前述のように生販在計画(PSI計画)を日次、週次でローリングしている場合、これに合わせて経営計画や着地見込・予測を実施すべきです。しかし、一般に、これらの計画策定は、人手で実施していることが多く、日々行うとなると膨大な工数が発生します。従って、こうした生販在計画や個別計画の修正・見直しを経営計画・着地見込に自動的に連動する計画・予測シミュレーションシステムは不可欠と言えます。

【図】計画・予測シミュレーションシステムのイメージ

【図】計画・予測シミュレーションシステムのイメージ

先が見えない状態で事業運営を行うことは、経営リスクが大きいと言えます。昨今では、こうした計画・予測シミュレーションのためのICTツールも増えてきていますので、転ばぬ先の杖として少しでも経営リスクを減らすため、是非導入を検討しては如何でしょうか。

パラメーターネットワークによる計画立案・予測

計画シミュレーションにおいては、計画前提となるKMI(Key Market Index)やKPI(Key Performance Index)をパラメーターとして設定し、これらの変化を予測することにより柔軟かつ機動的な計画立案・予測を実現することが重要です。

【図】パラメーターネットワークのイメージ

【図】パラメーターネットワークのイメージ

例えば、実行段階で事前に設定していたパラメーターがその上限値・下限値を超えて変動した場合、関連するパラメーターを自動抽出し、そのインパクト分析や対応策を織り込んだシミュレーションをスピーディに行えるようにすることです。

この様な観点からプロアクティブマネジメントは、固定型マネジメントから、変化に対応する機動型マネジメント(又は流動型マネジメント)への変革と言えます。

複数シナリオによる計画・予測検討とリスクマネジメント

経営計画策定時は、1つのシナリオで計画を策定するのが一般的ですが、昨今の激変する経営環境において臨機応変な対応ができません。即ち、経営計画策定に当たっては、複数の前提条件に基づいた複数シナリオにより計画を作成し、かつその妥当性を多面的に検証することが重要です。

【図】複数シナリオによる計画策定イメージ

【図】複数シナリオによる計画策定イメージ

シナリオは、経営計画策定段階だけでなく、実行段階でも重要です。即ち、経営計画としてはシナリオ①を選択した場合であっても、実行段階で前提条件が変わった時に直ぐにシナリオ②、シナリオ③へと切り替えられるようになります。複数のシナリオを用意しておくことは、変化に対する対応スピードを早くすることができるという点で、リスクマネジメントにおいても有用です。

また、実際のビジネスでは、こうした想定シナリオを超えて前提条件が変わるケースがあります。しかし、複数シナリオを用意しておけば、想定外のケースの場合が発生した時だけに集中して対応策を検討すればいいので、意思決定の混乱も少なくできると言えます。

仮説検証型プロセスの組込み

プロアクティブマネジメントにおいて、活動結果としての実績情報を次のアクションに結びつけられるように活用するためには、活動計画の前提(仮説)がどうであったかを常に検証出来るようにすることが必要です。計画前提が、ブラックボックス化していると、計画自体が良くなかったのか、実行過程が良くなかったのか分かりません。計画前提情報を整備することで、計画実績対比時の乖離の要因分析や施策状況分析に活用できますし、更なる改善施策を検討にも役立ちます。こうした計画前提を常に検証し、変化に合わせてアップデートしながら、マネジメントを行うことが重要です。

【図】仮説検証型データベースのイメージ

【図】仮説検証型データベースのイメージ

先行情報の計画・予測への活用

会計情報は、確定主義に基づく情報であり、稟議申請・購買申請・発注といったプロセスにおける先行情報を把握できません。プロアクティブマネジメントでは、こうした検収ベースでのマネジメントだけではなく、事業計画→実行予算→稟議申請→購買申請→発注→検収→支払といった一連の業務プロセス(情報のライフサイクル)において、その時にわかっている事実から先行情報(今後発生すると予測される情報)をリアルタイムで見える化し、その変化を的確に掴んでいくことが重要です。

【図】業務プロセス(情報のライフサイクル)からみた先行情報のイメージ

【図】業務プロセス(情報のライフサイクル)からみた先行情報のイメージ

しかし、これらの情報は、紙の情報であったり、色々なシステムに別々に管理されている情報であることが多いため、これらをデジタルで統合的にマネジメントできる仕組みの構築も必要となってきます。

食品メーカーにおける週次マネジメント

ある食品メーカーでは、コンビニの商品打ち切り等に迅速に対応するため、小売りからPOS情報を入手することにより、週次でPSI調整していくSCM改革を進めていました。トップマネジメントより、週次での利益マネジメントの実施の要請があり、このPSI情報をベースに週次で3か月先の着地見込(単品別利益予測)をシステムで実現しました。これにより、週次単位で製品の売上・利益の変化や得意先の売上・利益の変化に対して、特売商談、チラシ、スポット広告等の実施や、売上が伸びない製品は廃番を検討できるようになり、利益率の向上を実現しました。

以上のようにVUCA時代においては、常に一寸先を予測し続けるプロアクティブマネジメントを実現することが重要です。これらを実現するためには、デジタル・トランスフォーメーションDXを同時に進めていく必要があります。プロアクティブマネジメントの詳細については、是非、お問合せください。皆様と一緒に日本企業の先読み力の強化を実現したいと思っております。

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