投資マネジメント

投資マネジメントとは、企業活動における事業投資・設備投資・デジタル投資などの様々な投資に対して、全体投資枠管理、投資判断基準設定、個別投資案件審査、投資後モニタリングなどのマネジメント体制やマネジメントプロセスを構築し、投資の最適化を図ることです。

新規事業開発や多角化に伴う事業投資の増大、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴うデジタル投資の増大など企業を取り巻く投資環境が複雑化し、不確実化している今日において、投資マネジメントの重要性はますます高まっております。

レイヤーズでは、各社の事業戦略と投資領域に応じた投資マネジメントのあるべき姿や、全体投資枠の設定と配分管理、投資判断基準の設定、個別投資案件の審査、投資後のモニタリングなどのマネジメント体制やマネジメントプロセスを構築するコンサルティングサービスを提供しています。

デジタル化・脱炭素化などで投資マネジメントの重要性が高まっている

新型コロナウイルスなどの影響で国内外経済の先行き不透明感が拭えない中、ビヨンドコロナに向けて各種投資を推進する傾向にあります。特に、昨今では省力化・効率化などだけではなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)や脱炭素に向けた投資がより積極的に進められています。

 

これらの投資は、従来より投資規模が膨大であるにもかかわらず、その成果や経営的なインパクトの把握が難しいといった特徴があります。しかし、これらに対する投資マネジメントは、旧来型の設備投資中心のマネジメントであったり、グループ各社でマネジメント方法がバラバラなため、未だ人海戦術で計画・見込み・実績管理を行っていることも否定できません。

投資マネジメントを実現する上での重要視点

投資マネジメントでは、事業投資・設備投資・デジタル投資などの様々な投資に対して、全体投資枠管理、投資判断基準設定、個別投資案件審査、投資後モニタリングなどのマネジメント体制やマネジメントプロセスを構築することが必要です。
ここでは、投資マネジメントを実現する上で特に重要な視点を4つご紹介します。

 

①投資マネジメントの全体フレームワークを明確化する
②投資マネジメントにおけるWBS管理を徹底する
③投資の実行過程をデジタルでリアルタイムに視える化する
④中期経営計画・事業計画の計画・見込み・実績管理と連動する

投資マネジメントの全体フレームワークを明確化する

投資マネジメントにおいては、投資に関して「誰が」「どのタイミングで」「何を」「どのように」見るべきなのかを制度化し、組織として統制を図っていくことが必要です。

そのためには、下図のような投資マネジメントの全体フレームワークを明確化し、投資ガバナンス、投資枠管理、案件別投資管理について、それぞれ5W1Hが決まっているか検証していくことが重要です。

【図1】投資マネジメントの全体フレームワーク

投資マネジメントにおけるWBS管理を徹底する

個々の投資案件においては、個別案件のWBS(Work Breakdown Structure)毎に、詳細計画立案、計画実行、事後報告評価を行います。案件の管理単位としてのWBSは、投資の種類(事業投資、研究開発投資、設備投資、IT投資など)に応じて共通化しておくことが重要です。

 

WBSとしては、例えばシステム開発案件では、基本設計・詳細設計・製造・テスト・移行・運用等が該当します。
グループ全体でこれらを定義しておかないと、各社ごとに投資マネジメントにおける言語体系が異なってしまい、コーポレートからの各投資案件の進捗管理やリスク管理などに支障が出るので注意してください。

【図2】個別投資案件の執行管理のイメージ

投資の実行過程をデジタルでリアルタイムに視える化する

投資マネジメントにおいては、投資の実行プロセスに応じた情報をタイムリーにとらえた計画・見込み・実績管理を実現することが重要です。投資に係わる情報は実行プロセスの進行に合わせて、情報の精度が高まります。

 

下記の図のように、実行プロセスは、例えば計画→稟議→発注→検収→支払→資産計上といった情報があります。実行プロセスの進行に合わせ、これらの情報を常に先行情報としてリアルタイムで視える化し、その変化を的確に掴んでいくことが重要です。

 

しかし、これらの情報は、紙であったり、色々なシステムに別々に管理されていたりすることが多いため、未だ人海戦術で計画・見込み・実績管理を行っていることが多いと言えます。従って、これらをデジタルで統合的にマネジメントできる仕組みの構築も必要となってきます。

【図3】情報のライフサイクルイメージ

中期経営計画・事業計画の計画・見込み・実績管理と連動する

投資の「案件別計画」を策定し、これと「経営計画(中期・年度)」を連動させ、且つ案件別の「計画・見込み・実績管理」を中期経営計画や経営計画の「計画・見込み・実績管理」と連動させることが重要です。これにより、投資の期間損益に与えるインパクトを十分把握し、投資の前倒しや後ろ倒しの経営判断が迅速にできます。

 

特に、投資額が多ければ多いほど、期間損益やキャッシュフローに対するインパクトも大きいため、こうした投資案件のポートフォリオ・マネジメントと中期経営計画・事業計画の連動は重要になってきます。

 

また、このような計画・見込み・実績情報の連動は手作業では膨大な工数を要します。従って、投資管理における計画・見込み・実績情報をデジタル化し、これを中期経営計画・事業計画に連動する仕組みの構築も必要となってきます。

【図4】投資マネジメントと中期経営計画・事業計画管理の連携イメージ

レイヤーズの投資マネジメントの構築ステップ

投資マネジメントを構築するためには、まず、投資マネジメントとしてのあるべき経営の姿を明確にする必要があります。

外部/内部環境を踏まえ、どのような投資に対して、どのようにマネジメントしていくか、また、その責任主体は誰かなどを明確にします。
次に、投資マネジメントを効果的、効率的に運用するためのオペレーションを設計し、投資に関する判断基準や審議・実行プロセスも定義します。
更に、投資マネジメントの実現のための課題を明確にし、具体的な実現に向けた優先順位付け、実行計画の策定をおこないます。

【図5】投資マネジメントの構築ステップ

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