サステナビリティ推進

サステナビリティ推進とは、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)を巡る課題への取り組みを通じて企業の持続的成長と中長期的企業価値向上を図っていくことです。

今後の日本企業は、ESGやSDGsに対する社会的要請・関心の高まりに対応し、サステナビリティ課題へ実質的に取り組み、「企業のサステナビリティ」と「社会のサステナビリティ」を同期化するサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX:経済価値と社会価値の同時達成)の実現が求められています。即ち、今後企業は社会の一員として、環境問題や社会問題などの課題に積極的に取り組む必要があります。

レイヤーズでは、サステナビリティ課題とマテリアリティの特定、それらを解決するための中長期ビジョンの策定と取り組みの具体化、サステナビリティ推進の企業内での浸透と定着、サステナビリティ情報の開示などを支援するコンサルティングサービスを提供しています。

サステナビリティを取り巻く国内外の動向

2022年4月から東京証券取引所の市場が再編され、新たに3市場が始動しました。最上位のプライム市場は海外投資家の投資対象になるようなグローバル企業が集まる市場と位置づけられ、2021年6月に公表されたコーポレートガバナンス・コードによって中核人財における多様性の確保、サスティナビリティを巡る課題(TCFD対応等)への取り組みに関する開示など質と量の充実が要請されています。また、2023年度からは、有価証券報告書への非財務情報の記載も見込まれています。
 
グローバルでは、IFRS財団がInternational Sustainability Standards Board(ISSB)を設立し、サステナビリティに関する開示基準の統一に動いています。ISSBの開示基準草案では、CO2排出についてはスコープ3まで求めていたり、非財務情報を財務情報との紐づけを求めていたりと、より一層の対応が求められることが想定されています。

【図1】サステナビリティを取り巻く国内外の動向

サステナビリティ推進における重要視点

サステナビリティ推進においては、社内、社外それぞれに目を向けることが重要です。社内では、サステナビリティ推進に向けた課題・マテリアリティの特定と、それらを推進するだけの土壌が醸成されているかが重要です。また、社外に向けては情報開示も無視できない取り組みの一つです。他社の動向を把握し、競合に遅れをとらないような取り組みを進める必要があります。
 
ここでは、サステナビリティ推進において特に重要な視点を4つご紹介します。
 
①課題・マテリアリティの特定
②経営層への事前説明による理解・意識醸成
③ESG関連のレーティング・評価を活用した他社ベンチマークの実施
④サステナビリティを意識したガバナンス体系再構築

課題・マテリアリティの特定

サステナビリティ推進に当たっては、サステナビリティという文脈でどのような課題があるのかを整理します。取り組むべき重要課題は、自社における重要度(財務インパクト)だけでなく、ステークホルダー価値(社会価値)との両軸で検討し、数ある課題の中でサステナビリティ観点で取り組むべき重要課題を抽出します。
 
社内軸の課題抽出では、トップインタビューや社内アンケートを通じて、社内としての重要課題を特定します。併せて、それらがステークホルダー観点でどのような重要性を持っているのか、外部調査を通じてマテリアリティの特定を進めます。

【図2】マテリアリティ・マトリックス

経営層への事前説明による理解・意識醸成

取り組むべき課題が明確化された後は、全社一体となった取り組みを実施することが必要です。そのためには、経営トップおよび経営幹部がサステナビリティ推進への理解を深め、全員が納得感を持って臨むことが重要なポイントです。ロードマップを策定する前に、まず経営トップのサステナビリティ推進への考えや方向性・期待等を確認します。そして経営トップの意向を踏まえた上で、経営幹部に対してサステナビリティ推進の必要性や取り組まない場合のデメリットなどを説明し、全員に納得感を持って本格的なサステナビリティ推進への取り組みに合意してもらいます。

【図3】経営層に向けた社内研修資料の一例

ESG関連のレーティングを活用した他社ベンチマークの実施

情報開示に取り組むにあたっては、自社が強化すべきポイントを把握しておく必要があります。そのために競合他社や類似業種で目標とする企業等を対象として他社ベンチマークを実施します。他社と比較することで自社の課題を洗い出し、どういった対応が必要なのかを棚卸して、優先順位をつけて具体化していきます。
 
ベンチマーク比較の方法は色々ありますが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用するESG指標などに則して比較することで、投資家が求める視点を取り入れた課題抽出・検討が行えます。GPIFが採用している指標は、FTSE Russell(英)、MSCI(米)などが挙げられます。

【図4】GPIFが採用するESG指数一覧

サステナビリティを意識したガバナンス体系再構築

サステナビリティ推進は、課題の特定や、開示がゴールではなく、日々刻々と変化する課題(社会課題)に対して継続的にアプローチすることが必要です。そのためには、社内のガバナンス体系を見直し、サステナビリティの観点を織り込んで再構築する必要があります。
例えば、サステナビリティ組織の新設や、サステナビリティ要素を取り込んだKPIマネジメントなどを実施します。
 
当社ではこれまでガバナンス体系再構築の全般をご支援させていただいた経験・知見から、それらにサステナビリティ要素を取り込み、真にサステナブルな企業にしていくご支援もさせていただきます。

【図5】サステナビリティガバナンス体系

レイヤーズのサステナビリティ推進のステップ

サステナビリティ推進の本格検討においては、SDG Compass(SDGsの企業行動指針)をフレームワークとして使用します。SDG Compassは、企業がいかにしてSDGsを経営戦略と整合させ貢献を測定・管理していくかに関し、指標を提供することを目的として策定されたフレームワークです。
 
当社では、SDG Compassが提唱するステップ1~ステップ5に加え、サステナビリティ推進をスムーズに進めるため、重要視点で紹介した社内意識醸成、他社ベンチマークなどを実施するフェーズを「ステップ0」として、実行しています。

【図6】SDG Compassを活用したロードマップ例

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