BOM革新

BOM(Bill of Material:部品表)は、商品企画~アフターサービスまで製品のライフサイクル全てにおいて、情報の骨格となる重要な生産基礎情報です。
BOMは、営業・設計・購買・製造・サービスなど多くの部門が利用する一方、それぞれの目的が異なるため、BOM情報が分断化されているケースが多く、情報連携に人手がかかるなど多くの課題を抱えています。
レイヤーズでは、現状のBOMのデータ構造を分析し、各種標準化・コンカレントエンジニアリングなどに必要なBOMのデータ構造を定義します。
また、必要に応じて品目番号を含むコード体系の見直しを行い、BOM連携の効率化を図るとともに、各部門が必要な時に必要な情報を効率的に参照可能な最適なBOMシステムの構築を支援します。

BOM革新の必要性

市場のニーズの多様化、製品ライフサイクルの短命化、環境問題など様々な変化に対応しながら、顧客のニーズに合ったものをより安く、より早く市場に投入することが求められています。
そのために、コンカレントエンジニアリング、原価企画、グローバル設計/生産などの改革を実施しようとしても、生産基礎情報であるBOMが、グローバルや部門間でデータ構造や粒度が異なっていれば、これが足かせとなって、業務改革・デジタル化は進みません。
今後の取り組み・改革に必要な情報を、最適な単位・粒度・構造でBOMとして定義し、それらが正確かつリアルタイムに連携できる仕組みを構築することが必要です。

【図1】各種BOMの分断は業務改革・デジタル化の足かせとなる

BOMシステムを構築する上での重要視点

BOMシステムを構築する上では以下3つの視点が重要です。

①BOMのデータモデル・構造の定義
②BOMの役割定義
③正確かつリアルタイムなBOM連携

BOMのデータモデル・構造の定義

BOMは製造業の骨格となる生産基礎情報であり、その構造・モデルが歪んでいれば、最適な業務を実行することはできません。
BOMを革新するためには、現状のデータモデルを分析するとともに、今後のBOM活用のあり方を見据え必要なデータモデルに再定義することが重要です。
データモデルを定義することで、各々の属性をどのような単位で管理するかが明確になり、さらに情報同士の関連を明確にすることができます。
E-BOM、M-BOM(生産拠点毎)、S-BOMごとや製品群ごとにデータ構造やコード体系が異なることも多く、データモデル定義の際はコード体系やデータ構造の見直しも視野に入れることが重要です。

【図2】BOMのデータモデル

BOMの役割定義

E-BOM、M-BOMなど各種BOMを構築し、うまく連携させるためには、それぞれのBOMの役割や管理単位を明確にすることが重要です。役割や管理単位が明確でなければ、データ構造が複雑化・重複化するリスクが発生します。
昨今BOM以外にも、BOP(Bill Of Process:製造工程表)や、災害発生時や世界的な供給不足における影響範囲特定と、対応の迅速化のためにサプライヤー情報を管理するBOS(Bill Of Supplier:サプライヤー構成表)といった新しい概念・情報も登場しており、これらも含めて役割を定義することが重要です。

【図3】BOMの役割(例)

正確かつリアルタイムなBOM連携

開発、製造、サービスなどBOM間の連携を正確かつリアルタイムに連携することは非常に重要です。
開発上は、1つの品目でも、製造上では色違い、工場違い、調達先違いなどにより複数の品目になることも多く、設計変更をこれらの複数の品目に漏れなく正確に連携する必要があります。
製品バリエーションや品目数が多く、製品ライフサイクルが短い場合、必然的に設計変更の頻度も多くなり、人手による連携・変更作業では、非効率かつ連携漏れ/連携ミスによる品質問題にもつながります。
データのモデル・構造などを見直すとともに、連携自動化や連携漏れが起こりにくい仕組み作りが重要です。

【図4】BOM連携イメージ

レイヤーズのBOMシステムの構築ステップ

BOMの革新・システム構築においては、データモデル定義が非常に重要であるため、プロセス視点で、BOMをどのように業務で活用するのかを明確にするだけでなく、現行のシステムやデータを分析しながら、必要なデータモデルを定義し、これを管理する最適なシステムソリューションを導入します。

【図5】BOMシステムの構築ステップ

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