自動車部品メーカーにおける開発・生産準備プロセスと情報基盤の再構築
クライアントが抱えていた課題
自動車市場の環境変化に対応するスピード経営の実現に向けて、開発・生産準備業務プロセスの革新、変化点管理の強化が求められていました。
具体的には、マネジメント領域、業務領域、システム基盤のそれぞれについて、以下の課題を解決する必要がありました。
マネジメント領域
- プロジェクトのQCDや進捗状況が可視化されておらず、属人的なプロジェクト運営になっている。
- 開発・生産のグローバル化に対応した役割分担・業務プロセスになっていない。
業務領域
- 業務プロセスが各機能で分断しており、一貫性、整合性がない。
- 開発・生産準備プロセスにおけるゲート管理項目が曖昧になっており、評価者によりバラツキが生じている。
- 開発初期からの原価企画活動ができていない。
- 設計情報(3D/2D/BOM)の生成・管理が標準化されておらず、属人化している。
システム基盤
- 開発ドキュメント(設計構想/工程設計/3D/BOM等)を開発プロセスと同期して一元管理・共有するシステムがない。
- 設計・製造の変化点をコストとともに一元管理・意思決定するシステムがない。
レイヤーズのアプローチ
上記の課題を解決するため、以下の4つの施策を実施しました。
①真のSE(Simultaneous Engineering)開発実現に向けた開発・生産準備業務プロセスの再構築
- 品質保証体系図の方針改定、維持管理業務の定義
- 開発・生産準備業務プロセスフローおよび各種品質管理帳票の見直し
- 設計品質検証手法の定義、設計意図伝達方法の見直し
②製品開発プロセスのQCDを見える化するゲート管理プロセスの再構築
- 設計、生産技術、調達、製造、コストの各領域におけるゲート運営方法、評価項目、評価基準、評価エビデンスの定義
③プログラムマネジメントを強力に推進するプロセス・体制の構築
- プログラムマネジメント制度の設計(プログラムマネジャー/プロジェクトリーダー制度)
- 組織配置、役割・権限の策定
- プログラムマネジャー、プロジェクトリーダーのスキル要件、キャリアプラン策定
④車両開発プログラムマネジメントシステムの企画・構築
- プログラムマネジメントKPIの策定、KPI測定方法の定義
- 日程管理、タスク・成果物管理、進捗管理、ダッシュボードのシステム要件定義
- システム開発管理、テスト実施等のシステム構築・導入支援
【図1】プログラムマネジメントシステムの活用イメージとシステム要求機能
成果
プロセス標準の見直しにより、設計・生産準備業務の成果物の質が向上し、手戻りやコミュニケーションロスが低減されました。これにより、開発総工数が効率化されました。
また、各ゲートの評価項目、評価基準を明確に定義したことで、本会議に向けた準備が十分になされるようになり、会議時間、指摘件数が低減されました。
さらに、プログラムマネジメントシステムの導入により、同一指標による横断的管理ができるようになり、異常を早期に検出することができるようになり、リカバリー措置が迅速に検討できるようになりました。
他にも、プロジェクトの全体スケジュールおよび重要なマイルストーンが明らかになり、得意先との日程交渉や代替策検討、費用交渉がスムーズにできるようになりました。
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