2018.5.31
デジタル時代におけるリアルタイムマネジメントとは
~CFO及び経理責任者によるパネルディスカッション~
セミナーレポート
概要 |
当社主催のセミナー「デジタル時代におけるリアルタイムマネジメントとは ~CFO及び経理責任者によるパネルディスカッション~」を2018年5月31日、イイノカンファレンスセンターで開催いたしました。 |
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オープニング
株式会社レイヤーズ・コンサルティング
代表取締役COO
公認会計士
中防 保
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ロボット、ビッグデータといったデジタルテクノロジーの急速な進歩とともに、社内外の現場におけるさまざまな情報(データ)がマネジメントにもリアルタイムに届く時代になっています。
本セミナーは、そうした環境変化の中で、デジタルトランスフォーメーション(デジタル革命)に対応したマネジメント変革をいかに実践していくべきかということをターゲットに据えました。フロント業務も含めた最新のリアルタイムデータを、誰が、どう活用してマネジメントするか。どう使い倒して、いかに打ち手につなげるかが問われています。
講演Ⅰ
「デジタルトランスフォーメーション時代におけるリアルタイムマネジメントの実践」
株式会社レイヤーズ・コンサルティング
経営管理事業部
ディレクター
田平 智規
デジタルトランスフォーメーション時代の到来によって、ITは単なる省力化の道具ではなく、ビジネスそのものになっています。わたしたちが望む、望まないにかかわらず、デジタル技術の進歩によってリアルタイムでデータが入ってきてしまう時代は目の前に迫っています。そのデータの渦に飲み込まれることなく、活用しきった企業こそが生き残れる時代がやってきます。
そのうえで、リアルタイムマネジメントを実践するには、①既存の考え方や枠組みをぶち壊し、デジタルで再構築すること、②フレキシビリティ性を強化し、変化に強い経営資源づくりをすること、③経営資源を効率よく組み合わせてビジネスを最適化する全体アーキテクトを描くこと、がポイントです。
リアルタイムマネジメントの本質は、意思決定を迅速化するだけでなく、行動(アクション)の最適化・迅速化に結び付けること。アクションまでのリードタイムをいかに短縮するかが重要なカギを握ります。
講演Ⅱ
「リアルタイムビジネスをご支援するSAPデジタルトランスフォーメーション」
SAPジャパン株式会社
バイスプレジデント
製造産業統括本部 統括本部長
川崎 徹 氏
SAPは1972年の創業時に業務プロセスの自動化を目的とした統合型ERP(基幹業務システム)を開発して以来、世の中の変化に合わせて新しいシステムを提供してきました。2015年にリリースされた、デジタル経営に対応する最新プラットフォーム「SAP S/4 HANA」は単にこれまでの製品をアップグレードしたものではなく、膨大なデータを高速処理する力によって、お客さまの業務改革に大きく貢献できる製品です。あるグローバル企業では、世界250のシステムを4コアシステムに集約し、ビジネスの高速化を実現しました。
リアルタイムマネジメントにおいては、社内だけでなく、社外の広範囲なデータも活用する“デジタルツイン”の仕組みが求められています。「S/4 HANA」をIoT活用ソリューションである「SAP Leonardo」、その他のSAP製品と組み合わせることで、新たな可能性がうまれています。
<パネルディスカッション>
CFO賢人倶楽部メンバーによるデジタルトランスフォーメーション時代のリアルタイムマネジメントの方向性
パネリスト紹介
1984年入社。スペイン(マドリッド)、中南米(パナマ)駐在を経て、IR室長、経理部決算管理室長を歴任し、2014年伊藤忠インターナショナル会社CFO(ニューヨーク駐在)、2015年同執行役員、2016年より経理部長就任。
1984年入社。スペイン(マドリッド)、中南米(パナマ)駐在を経て、IR室長、経理部決算管理室長を歴任し、2014年伊藤忠インターナショナル会社CFO(ニューヨーク駐在)、2015年同執行役員、2016年より経理部長就任。
1980年、オリンパス光学工業株式会社(現:オリンパス株式会社)に入社。2度の米国駐在を経て、2009年に執行役員に就任。欧州持株会社(ドイツ)の会長を歴任し、2012年に取締役専務執行役員、2016年より取締役副社長執行役員に就任、現在に至る。CFO(最高財務責任者)兼地域統括会社統括役員として、グローバルな財務戦略立案・遂行とグループ経営を担当する。
1980年、オリンパス光学工業株式会社(現:オリンパス株式会社)に入社。2度の米国駐在を経て、2009年に執行役員に就任。欧州持株会社(ドイツ)の会長を歴任し、2012年に取締役専務執行役員、2016年より取締役副社長執行役員に就任、現在に至る。CFO(最高財務責任者)兼地域統括会社統括役員として、グローバルな財務戦略立案・遂行とグループ経営を担当する。
1985年スタンレー電気株式会社入社。1991年から2003年まで北米にて財務担当責任者、2009年に財務・経理担当執行役員を歴任し、 2013年よりコーポレートマネジメント担当取締役に就任、人事、経理・財務、総務、法務、情報を担当、現在に至る。
1985年スタンレー電気株式会社入社。1991年から2003年まで北米にて財務担当責任者、2009年に財務・経理担当執行役員を歴任し、 2013年よりコーポレートマネジメント担当取締役に就任、人事、経理・財務、総務、法務、情報を担当、現在に至る。
1978年株式会社リコー入社。1997年米州統括会社リコー アメリカス コーポレーション シニアバイスプレジデント兼 CFO、2010年執行役員 経理本部長、2012年常務執行役員 経理本部長、2013年常勤監査役を歴任、研究開発・生産・販売・サービスのグローバル展開の中で、マネジメント インフォーメーションの整備とコーポレートガバナンス体制強化に従事。2017年ソニー株式会社取締役に就任。
1978年株式会社リコー入社。1997年米州統括会社リコー アメリカス コーポレーション シニアバイスプレジデント兼 CFO、2010年執行役員 経理本部長、2012年常務執行役員 経理本部長、2013年常勤監査役を歴任、研究開発・生産・販売・サービスのグローバル展開の中で、マネジメント インフォーメーションの整備とコーポレートガバナンス体制強化に従事。2017年ソニー株式会社取締役に就任。
経営管理事業部統括
マネージングディレクター
公認会計士
経営管理事業部統括
マネージングディレクター
公認会計士
モデレーター紹介
代表取締役COO
代表取締役COO
パネルディスカッションでは、「決算のリアルタイム化」、「データガバナンスの重要性」、「新システム導入時の人材の意識改革」、「リアルタイムマネジメントを実践する上でのCFOの役割」などが、各社の実体験を交えて語られました。業種や企業の抱える課題によって理想とされるリアルタイムマネジメントの在り方が異なるものの、各社の実例からは、成功可否のポイントが窺えるパネルディスカッションとなりました。
<以下パネルディスカッションより一部をご紹介します>
1.リアルタイムマネジメントとは
・決算の早期化、効率化
-決算処理にあたってはディスカッションやコミュニケーションが非常に大事であり、連結子会社の情報スピードをあげることで、ディスカッションの時間を確保し、集まったデータをみてどうすべきか考えるのが経理の役割。
・意思決定のリアルタイム化
着地見込情報の経営判断への活用、将来シミュレーションへのデータ活用など
・(メーカーの経営にとっては)設計・開発・量産準備、量産のリードタイムの極小化
2.リアルタイムマネジメントの前提として、データや組織のガバナンスが重要
・データガバナンス
-グローバルでデータ定義を統一することが必要
・組織のガバナンス
-グローバルで組織・権限を明確にして、責任範囲を明確にすることが経営スピードを上げることになる。
3.CFOの役割
・デジタル化に対応した業務プロセス改革、デジタルテクノロジーを活用する人の意識変革が重要
・一気通貫のメーカーなら開発/生・販・在、サプライチェーン全体のリードタイム短縮
-生・販・在計画がリアルタイムに更新されるようなことも考えられるが、必ずしもテクノロジーによらず最後は人の判断で在庫等をマネジメントしていくことがCFOの役割。
主催
株式会社レイヤーズ・コンサルティング
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