品質システム適正化に向けた取り組み
~組織体系・スキル管理~

DX等の活用により業務の自動化が進んでいますが、未だ人手作業も多く残っています。企業における組織体系として体制が整っているか、従業員の保有するスキルを把握・活用出来ているかが品質を担保する上で非常に重要です。
あるべき品質管理業務の在り方(品質システム)を再定義し、スキル管理システムに落とし込むことにより、業務品質観点でのスキルの見える化を実現、品質向上を達成した事例をご紹介いたします。

品質システムの重要性

近年ではニーズの多様化により、多品種少量生産が一般的になってきており、これに合わせて、製造現場でも現場作業者の多能工化や品質管理業務の複雑化が起こってきております。
この環境下、品質管理を実現していくためには品質システムの適性化、中でも「品質管理体制」「スキル・教育管理」の2点が非常に重要です。

品質システムの課題

各企業で品質を担保するシステム(組織・その組織の持つ職務)は持っていますが、慣例的に管理する側・される側が同一組織である、外部要求対応を局所的に行ったために特定の管理業務のみ別組織に移管されている等、全体を通してみた際に、品質管理が実質的に機能していないケースが多く見受けられます。
これが「品質管理体制」における課題です。
一方でヒトの業務品質に関する課題も多く見られます。
公的資格等であれば、誰が何を出来るというのは明確です。
しかし、社内における業務経験や特定の機種に従事した実績などは管理粒度が定義されておらず企業として品質を担保できる配置となっているかは現場監督者に一任されている傾向にあります。
企業として、何をスキルとして管理するか、管理粒度をどうするかが定義されていないがゆえに、ヒトに関する業務品質が担保できていない。
これが「スキル・教育管理」における課題です。

【図1】「品質管理体制」における課題イメージ

品質システムの再定義(事例)

上記課題を解決するため、あるべき品質管理業務の在り方を再定義し、スキル管理システムに落とし込むことにより品質向上を実現した事例をご紹介いたします。

事例:大手メーカー

  • 課題
    • 慣例的に管理する側・される側が同一組織であったため、品質不良に対する責任がうやむやになり、改善がなされない組織風土となっていた。
    • 社内スキル管理に関する体系が整っておらず、外部環境変化(法制度・OEM要求等)に対応できない/対応を主導する機能が存在していなかった。
    • 一部工程群で従業員のスキル管理が不要なルールとなっており、品質不良が多発していた。
  • 取組:以下の4STEPで実施いたしました。

① 品質システムレビュー
組織・機能として品質システムが成立しているかをレビューする。

② 品質システム再構築
管理/被管理部署の分離、環境変化への対応可否、現状の組織のケイパビリティなどの観点で、品質管理に関わる部署および役割を定義し、あるべき品質システムを再構築する。

③ スキル管理体系の構築
企業にとって管理すべきスキルおよび粒度を定義し、合わせてスキル取得に必要な条件、運用ルールを設計する。

④ スキル管理システムの導入
③で検討したスキル管理体系を実現するシステムを構築し、システムによるスキルの一元管理、運用の完全オンライン化を実現する。

【図2】あるべき品質システム事例 イメージ

あるべき品質システムは企業毎に異なる

本取り組みにより、改善サイクルが適切に回るようになると共に、従業員に本人のスキルとアンマッチな業務を実施させることもなくなり、不良の減少につながっています。

事業・製品・企業の歴史が違えばあるべき品質システムも異なります。貴社にとっての最適な「品質システム」を検討するきっかけとなれば幸甚です。
本テーマについてご関心がございましたら、個別のご事情や業界・業態の特徴も踏まえてディスカッションさせていただきたいと考えておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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この記事の執筆者

  • 木村 圭佑
    木村 圭佑
    HR事業部
    マネージャー
  • 林 佑樹
    林 佑樹
    SCM事業部
    マネージャー