2017/7/26

「目からウロコのレイヤーズ経営通信」第41号/世の中デジタル化(IoT、ICT)が流行っていますが、その前に

#トピックス

世の中のデジタル化の波にあおられてやみくもに飛びついている企業も少なくありませんが、元々デジタル化は手段なので、その前にきちんと目的を整理しておかなければ失敗してしまいます。

最近、新製品はIoT対応、プロセス改革もIoT活用、セミナーや講演会、出版もIoTだICTだと猫もしゃくしもデジタル化が流行っています。右を向いても左を向いてもデジタル化が目に耳に飛び込んでくるので、企業経営者は自社も取り残されないように、「何でもいいからIoTに取り組め!」と社内に号令を掛け、指示を受けた担当者は何をしていいか分からず、右往左往している人も少なくありません。

確かに昨今のデジタル技術はAIや通信・情報処理技術も飛躍的に進歩し、今まで不可能と思われたことまで可能にし、製品やサービスの付加価値を増大させ、収益機会の拡大に貢献しています。しかし、ちょっと待ってください。そもそもデジタル化は手段であり、目的ではありません。やみくもにデジタル化をしても業務の効率化や製品の付加価値の増大は図れません。何のために、何を、どうデジタル化するのか具体的なイメージを持つこと、特に「何のために」が重要です。

例えば、今後「マスカスタマイゼーション」対応の製品を提供していこう、となったとします。マスカスタマイゼーションは量産と同じリードタイム・同じコストで製品を提供できるようにしなければなりません。そのためには、受注・仕様決定から設計・調達・製造・出荷までの情報連携を即時・双方向にコンカレントにできるようにし、さらに材料・仕掛品の在庫状況と調達リードタイム、生産能力(マン・マシン)の負荷状況がリアルタイムに分からなければなりません。そのためにIoTを活用して生産状況をリアルタイムで見える化しよう、となるわけです。目的がはっきりすれば、生産情報の見える化をどう実現したいかが明確になってきます。

というわけで、デジタル化は目的が大切ということをご理解いただけたと思いますが、次回はもう少しこの「何のために」を詳しく解説したいと思います。

 

 株式会社レイヤーズ・コンサルティング 
 SCM事業部 統括マネージングディレクター 
鈴木 基

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