個別受注型製造業における利益管理・原価管理制度の再構築

クライアントが抱えていた課題

個別受注設計生産の当クライアントは、顧客の要求仕様に柔軟に対応できることと、大規模案件でも短納期で供給できることを強みとしていました。また、個々の案件・製品ごとに「標準原価」を都度設定していましたが、標準原価算出の仕組みが陳腐化し、生産実態からかけ離れた原価になっていました。

 

そのため、会社全体の原価差異が10%程度発生しており、案件・製品ごとの真の利益が分からないまま、価格交渉や全社の利益管理・原価管理を行っていました。さらに、数十年前に社内で作られた標準原価算出のロジックや仕組みの全貌を理解している人材は残っておらず、標準原価の精度を上げることも困難な状況にありました。

 

結果、上記の経営課題と解決策、進め方が経営層含めて社内で共通認識になっておらず、現場レベルではできる範囲での改善は行っていましたが、根本的な解決には至っていませんでした。

レイヤーズのアプローチ

〈Step1.経営課題の共通認識化〉
複数のサンプル製品で実際原価を簡易的に試算し、経営・営業・製造が見ている現状の製品別利益と実際原価ベースの製品別利益のGapを数字で視える化し、その原因を詳細に整理することで原価管理の再構築が経営上の重要課題であることを経営層含めてあらためて共通認識にしました。

 

〈Step2.具体的な実現方法とステップの合意〉
製造現場や各種データの管理状況を整理し、実現可能性を考慮しながら利益管理や価格設定/交渉、原価低減活動の基礎となる原価管理の業務・システムの要求事項を整理するとともに、現実的な実現ステップを提示することで経営層およびミドルマネジメント層と改革の方向性を合意しました。

 

〈Step3.「効果」を刈り取るための原価活用プロセスの具体化〉
プロジェクトのゴール・目的を見失わないように、経営・営業・製造それぞれの役割と原価情報の活用局面・目的の解像度を上げるための議論を経営層交えて繰り返し実施しました。
経営や各機能部門の意思決定局面における原価活用の目指す姿の方針を、経営層・ミドルマネジメント層と合意し、プロジェクトを進める中で迷った時の拠り所を確立しました。

【図1】「標準原価ベースの利益」と「実際原価ベースの利益」とのGap

成果と顧客満足

〈1.原価管理再構築の「目的」の目線合わせと実行〉
売上・利益の維持・向上に向けた営業の価格設定/交渉、製造の原価低減活動、経営の利益管理と意思決定プロセスなど、それぞれの立場での原価情報の具体的活用が経営層・関係者間で共通認識化されるとともに、中期経営計画の達成に向けた各機能部門の戦略・施策の具体化へとつながりました。

 

〈2.原価管理の再構築の「自分事化」〉
原価情報が視える化されるだけでは真の効果は刈り取れず、原価情報を経営・営業・製造のそれぞれが活用し切ることが重要であることが経営層・関係者間で共通認識化されました。
また、実装にむけては非現実的な理想論を議論するのではなく、改革の中心となるミドルマネジメント層が腹落ちできる実装方法を具現化するためにも、自社の各種データの管理状況や人材スキル・リソース、制約となる商慣習や業務プロセスも共通認識にしながら議論を進めることで、クライアントのキーマンたちが主体的に取り組むことができました。

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