自動車メーカーにおける品質向上のための施策立案
クライアントが抱えていた課題
クライアント企業の中期経営計画で掲げられた「品質最優先」を実現すべく、調達部門が実施する品質向上活動に対するアセスメントを実施したところ、調達品質課題は量産以降の段階ではなく、開発や量産準備段階の上流工程に起因して発生していることが判明しました。
(例)
- 開発工程における各種会議体が所定のタイミング/回数で開催されておらず、自社/サプライヤーの品質保証を確認できないまま開発が進んでしまっている。
- DR(デザインレビュー)時のチェック内容が明確になっておらず、個人に依存した品質保証になってしまっている。
したがって、調達部門単独での品質向上活動だけでは限界があり、設計・生産技術・製造等の他部門を巻き込んだ全社視点での品質向上に向けた取り組みが必要になっていました。
レイヤーズのアプローチ
上記の課題に対して、①クライアント企業内/外へのヒアリング、②品質向上における優先課題の抽出を実施しました。
① クライアント企業内/外へのヒアリング
クライアント企業における品質保証体制に関わる部署(品証、設計、生技、調達等)及び海外生産会社をピックアップし、各部署へ調達部品の品質向上における課題をヒアリングしました。
また、社外に対してはサプライヤーを数社選定の上、自動車メーカー他社と比較したクライアント企業の評価や課題提起、改善要望を確認しました。加えて弊社のネットワークを活用して、外部有識者からの他社事例を踏まえた課題提起を実施しました。
② 品質向上における優先課題の抽出
ヒアリング内容を基に以下4点の優先度が高い課題を抽出しました。
⑴開発関連全部署(設計/生技/調達/製造)が四位一体となった開発プロセスになっていない
⑵市場で発生した重大不具合に対して、類似不具合の未然防止に向けた抜本改善検討・水平展開が徹底できていない
⑶商品の信頼性における品質目標が設定できていない
⑷品質向上を強力に推進できる組織風土になっていない
【図1】各所へのヒアリングを基に優先課題を抽出
成果と顧客満足
抽出した優先課題を解決し、クライアント企業としてありたい姿を実現するために、組織風土改革を実現する中長期施策(5年以上先まで見据えた活動)と、そのトライアル及び現状のテコ入れを図る短期施策(直近1,2年で実施・刈り取り)に分けて施策を立案しました。まずは短期施策の実行に向けた計画を策定しました。
⑴ 四位一体活動
【短期施策】車種と部品を選定した上で「四位一体活動」のトライアルを実施
【中長期施策】「四位一体活動」の全社本格展開
⑵ 類似不具合未然防止
【短期施策】重大市場不具合に対する類似不具合未然防止に向けた横展開トライアルを実施
【中長期施策】横展開の本格展開
⑶ 信頼性品質目標設定
【短期施策】特定市場における「市場の車の使われ方」を調査
【中長期施策】信頼性品質目標の設定
⑷ 品質抜本改革を推進する組織風土
【中長期施策】部門を跨いだ「仕事の型」を確立し、品質保証を実現・促進する仕組みの整備
⑸ 早期テコ入れ
【短期施策】現状に対する「早期止血」のための工程診断の強化、開発プロセスにおける日程遅延防止管理の実施
【図2】課題解決のための短期施策/中長期施策を立案




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