個を活かして勝つための人的資本経営

グローバルの動きを受けて、日本政府が人財への投資の強化、人的資本経営への移行を促す流れが続いていますが、こうした人的資本経営への移行は「個を活かして勝つための経営への移行」でもあると、当社は考えています。

ダイバーシティの目的は数値でなくイノベーション

人的資本情報を開示するうえでの指針「人的資本可視化指針」が、2022年に日本政府より公表されています。同指針では、ダイバーシティが1つの項目として挙げられています。また、国際的な人的資本のマネジメント・レポーティング基準であるISO30414においても、ダイバーシティは1つの領域に位置付けられています。
他方、現在の日本におけるダイバーシティ推進は、比率や人数を高めることが優先され、多様な価値観が混ざり刺激し合うことでイノベーション(新結合)を創出する本来の目的が疎かにされがちです。しかし、ニーズの多様化傾向が強まる一方である今こそ、「イノベーション創出のためのダイバーシティ」に立ち戻るべき時期と考えます。そして、ここで期待されるイノベーションとは、各社が差別化して勝ち残ることに資するべきものであります。

【図1】「外形的に多様」でも同質性・凝集性が高ければ多様化ニーズに応え切れない
Syed Mattew氏「多様性の科学」よりレイヤーズ作成

人的資本経営=規定演技+自由演技

当社は、「個を活かす人的資本経営」を実践するうえで、政府等が定める基準、いわば標準形の「規定演技」に対応したうえで、各社が選定した指標、いわば「自由演技」をマネジメントや開示に活かす必要があると考えます。そして、「自由演技」においては、ISO30414等の外部基準の活用に加えて、各社の理念・戦略と一貫して強み・特徴を表現する独自指標を用いる必要があります。理念・戦略や歴史、目指すところは各社各様であり、標準的な考え方や指標、方法論だけでは差別化や勝ち残りを目指す経営には不十分と考えるためです。そして、この独自指標は、差別化勝ち残りのためのイノベーション、そのためのダイバーシティを進めるうえで、KPI(Key Performance Indicator)もしくは上位のKGI(Key Goal Indicator)に位置付けられます。このように、人的資本経営への移行は、「個を活かして勝つ」ための道筋や考え方を定量的に整理して実践することでもあると、当社は考えております。

【図2】「規定演技」対応に止まらず、「自由演技」で独自性を開示・経営で発揮する視点も必要

当社は、最新動向を踏まえながら人的資本経営を実現する広範なソリューションを提供しております。ご関心をお持ちいただいた方は是非お問い合わせください。

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