リモートワークを支えるコミュニケーション基盤の見直しを!
~快適なリモートワーク環境で生産性向上を目指す~

リモートワークにおける課題

新型コロナウイルスの影響により、仕事のスタイルも変化を余儀なくされています。たとえば、リモートワークの増加。在宅勤務が広まり、コミュニケーションもオンライン上で取るケースが格段に増え、各企業において早急にリモートワーク環境を整備する必要があります。さらには、政府が進めているIT改革において、アフターコロナを見据えて作業場所を限定しない業務ができる環境づくりや新たなコミュニケーションツールが求められており、今後の業務環境のスタンダードとなるコミュニケーション基盤の改革が必要となってきます。

【図1】リモートワーク実施率の変化
出典:東京商工会議所「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」調査

リモートワークを運用していく場合、これまでと社員の働き方が根本的に変わることにより、リモート環境や情報漏洩などネット環境に関連する課題、労務管理やプロジェクト・タスク管理など各種管理に関する課題が発生することが想定されます。

リモートワークに対する主な課題

・社員間のコミュニケーション不足/労務管理
・ネットワーク通信障害(通信が途切れる、遅い)
・情報漏洩・不正アクセスリスク

【図2】リモートワークにおける課題
出典:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

コロナ禍の今こそコミュニケーション基盤の見直しを!

快適で安全なリモートワークを行うには、前述の課題を解決する必要があるためコミュニケーションツール、ネットワーク、セキュリティの観点で導入のポイントを列挙いたします。

①コミュニケーションツール

リモートワークでは、対面コミュニケーションが前提となる従来の働き方とは大きく異なり、同じ空間で働いていれば顔が見えていたところが、リモートワークではちょっとした意思疎通もハードルが高くなってしまいます。
また、社員の労働時間を管理することが困難になり残業規制を遵守できない事態になりかねません。「コラボレーション(チャット、ファイル共有、掲示板)」「Web会議」「モニタリング」機能を活用することで円滑なコミュニケーションを図ることができます。また、ツール導入のみならず、利用者へのガイドラインの提示、運用ルールも併せて準備が必要です。

②ネットワーク

コミュニケーションツールは、クラウドサービスの利用が前提となり、また、Web会議の利用により大容量の通信を必要とします。そのため、通信の集中によるレスポンス低下から通信遅延や通信切断が発生してしまいます。特に、VPN経由で社内ネットワークへのアクセスが必要な場合は、同時接続数の問題、VPN機器の負荷増大による通信障害が業務生産性を大きく下げてしまうため、ローカルブレイクアウト、クラウドプロキシ等の技術をベースとしたネットワーク設計を考える必要があります。

③セキュリティ

リモートワークでは、会社以外の場所に社内の重要な情報が持ち出される形になることから、情報が漏洩するリスクが高まります。さらにSaaSサービスが増加し、社内情報の境界が曖昧になるなど、外からの攻撃を防ぐ境界型セキュリティでは対応しきれません。そのため、すべての通信を信頼せず検証するゼロトラスト型セキュリティが必要となってきます。ゼロトラスト型セキュリティを導入することで、都度ユーザーやデバイスの認証がおこなわれ、トラフィックの信用度が確認されるため、より強固なセキュリティ環境を構築でき、結果として情報漏えいや不正アクセスなどのリスクを大幅に低減できます。

 

コミュニケーション基盤の導入ポイントを述べてきましたが、課題の範囲も広く、複雑であるため、製品や技術を購入しただけでは上手く実運用にたどり着くことは困難です。経営や現場オペレーションに精通したDX専門家に相談することが重要と思われます。
働き方の変化の大きいこのタイミングで、コミュニケーション基盤の見直しを行い、安全かつ快適なリモートワーク環境を構築することで、これまで以上の生産性向上を目指しましょう。

アフターコロナを見据えた在宅勤務環境整備事例

ある企業では、新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務が原則となり、多くの社員が社内システム(メール、基幹システム等)にVPN経由で接続し、これまでにない規模でVPNを利用することになった結果、「遅い・重たい」「つながらない」といった声があちこちから上がってきました。
そのため、Microsoft365への移行を行うこととしました。まずはMicrosoft TeamsによるWeb会議システムやビジネスチャットを先行展開し、コラボレーション機能を充実させ、Teamsの利用が浸透するとともに、リモートワークの活用も促進されることとなりました。ただし、VPNだけでは、ネットワークの問題が解消しきれず、ローカルブレイクアウト、クラウドプロキシの導入により解消できました。

その後、メール、Intuneを展開することで、セキュリティを確保しながら、「いつでも」、「どこでも」、「どのデバイスでも」業務を行うことができるようになり、アフターコロナにおいても業務継続を実現するための在宅勤務が可能となるコミュニケーション基盤を確立しました。

働き方や管理方針も企業によって多様となるため、通信系ベンダー、コミュニケーションツールベンダーだけではなく、総合的に判断できるパートナー選びが成功の鍵となります。

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