SSCは市場に開放!
~BPO機能を活用したスピード改革~

SSC(シェアードサービスセンター)は自社内に閉じるのではなく、市場に開放(BPO機能を前提)して具体的な成果を創出する必要があります。絵に描いた餅を眺める時間は日本企業には残されていません。BPO機能を活用してSSC改革をスピーディに実現した事例をご紹介します。

今日のSSCに必要な機能

SSC設立・改革に関するご相談が非常に多く寄せられます。SSCはグループ全体の間接業務の集約を通じたコスト削減を目的としています。最近はコスト削減だけでなく、担当者の退職・休職リスクを勘案した継続運用が可能な業務基盤の強化、そのためのグループナレッジの可視化・蓄積も、重要視される企業が増加しています。
①グループ子会社からの更なる業務集約化、②業務量削減のための業務改革力、③業務運用のための人材供給力、④業務運用と並行した業務可視化・ナレッジ強化、そして⑤コスト削減を実現するための要員配置見直し。本社機能の強化・オペレーション業務の改革は、縮小する日本市場・拡大するグローバル市場では、実現しなくてはならないテーマです。
SSCの機能を自社内に閉じるのではなく、市場に開放(BPO機能を前提)して急ピッチに具体的に成果を創出する必要があります。絵に描いた餅を眺める時間は日本企業には残されていないと認識しています。BPOが保持する専門人材の供給力、コスト削減力、社員リスキル・アップスキル等の機能のビルドインはSSC改革には不可欠と認識しています。
弊社はコスト削減(集約化・効率化・社員配置見直し)・業務可視化(ナレッジ蓄積)・人材育成を実現し、その効果を顧客と共有するBPOサービスを展開しています。

【図1】事例:某大手製造企業のSSCモデル(BPOによる効果をSSCと共有)

BPOとのJVによるSSC改革

SSCを既に立ち上げ・運用されている企業では、BPOや人材派遣を活用して業務コストの変動費化を推進していますが、その効果は限定的です。現状踏襲の改革、部門ごとに閉じた改革、人材単価のみの改革、管理職数の変化を聖域化とした改革、枚挙にいとまがありません。自社だけの改革は容易ではないと認識しています。SSCを市場化した事例をご紹介します。

<改革前>

  • SSCは業務単位ごとにBPOや派遣会社をバラバラに活用。業務繁閑に応じた業務コストの変動費化、定型業務のローコストオペレーションを実施。
  • しかし、大幅なコスト削減の必要性、新ビジネス立ち上げのためのリソース確保の必要性のため、大胆なSSC改革に着手。

<改革実施>

  • 顧客(SSCの親会社)は業務横断的・組織横断的な改革を実施するため、BPO企業とJVを設立して、トップダウンの改革に着手。
  • SSC社員はJVに在籍出向して、業務改革推進チーム、業務可視化チーム、業務運用チームメンバーとして従事。業務運用チームの社員は他流試合(他業務も従事すること)を通じて可視化チームも支援。
  • 既存BPO企業・人材派遣会社のベッドカウント・単価・ローケーションを洗い出し・見直しをかけて、約30%のコスト削減を実現。

<改革後>

  • JVは解散して顧客のSSCとして再スタート。
  • JVへの在籍出向者はリスキルをして、本社又はSSCへ帰任。
  • コスト削減分のリソースは新ビジネスのサービス提供にシフト。

【図2】事例:大手情報関連企業のJVモデル(BPOによるSSC再生)

地方創生を目指すSSC設立

弊社はBPOを活用した地方創生も支援しています。その事例もご紹介いたします。
県庁所在地の都市は人口増加していますが、県第二の都市であるその地方都市は人口減少が続き過疎化が着実に進行しています。県にとっても、その市にとっても、企業誘致は最重要テーマの一つです。
その地方都市には大企業が7社進出しています。企業自体の経営状況もあると推察しますが、経理・人事等の管理業務に従事する人材採用難であり、業務継続リスクが顕在化しつつあります。定年退職を迎える方は地方都市を離れ、介護・育児等で休職する方も増えている状況です。と同時に、企業誘致をするためには、進出企業のための人材確保が必須となっています。
そうした現状を打破するため、行政はBPO企業とも連携して、各進出企業のプロセスで集約・共通化できる業務の抽出、業務運用可能な人材の募集・育成等も通じて、地方SSCを設立しサービス提供するモデルを推進中です。このプラットフォームを通じて、新規に進出される企業へのサービス提供も低価で実施することを目指しています。
なお、このモデルは在宅でも業務運用できるため、より多くの地方人材の雇用にもつながることが期待されています。

【図3】事例:某地方都市の挑戦(BPOによる地方創生)

SSC/BPOのナレッジセンター

レイヤーズ・コンサルティング(Horizon Oneの親会社)はSSC設立・改革のコンサルティング実績が豊富にあります。またHorizon One並びベルシステム24(Horizon Oneの親会社)はBPOを活用したSSC改革の実績が豊富にあります。
Horizon Oneグループは日本随一のSSC・BPOのナレッジセンターと自負しています。そうした他社事例やナレッジを最大限に活用した、SSC改革のコンサルティングだけでなくワークショップも開催しています。他社事例を踏まえたケーススタディは、SSC経営幹部の内向きな指向を市場にシフトの一助となっていて、超大手製造業のSSCでは定期的に実施しています。そのプログラム(イメージ)を下図で一部紹介いたします。

Horizon OneはBPOを通じて、SSCを含めた日本企業の競争力強化に貢献することを目指しています。

【図4】Horizon OneはSSC・BPOのナレッジセンター

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この記事の執筆者

  • 松田 汎未
    松田 汎未
    BPO事業部
    マネージャー
  • 石井 未宇
    石井 未宇
    BPO事業部
    シニアコンサルタント

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