有事の今こそ求められる
“真のタレントマネジメント”
日本企業の経営課題
VUCAの時代と呼ばれて久しく、経営を取り巻く環境変化は激しさを増しています。
このような中、成長を成し遂げる為に経営はあらゆる可能性を模索し、常に経営の最適化を推進するべくその肝が人財にある。
という認識が益々顕著になっています。
以下は日本企業の経営課題に何があるのかを調査した結果を踏まえると、重要経営課題は以下の5つが占めています。
第1位:収益性の向上
第2位:人材の強化
第3位:売り上げ・シェア拡大
第4位:事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築
第5位:新製品・新サービス・新事業の開発
【図1】「2021年度 当面する企業経営課題に関する調査」~現在の課題(上位10項目)の3年間推移
また、今後3年間は順位が入れ替わり以下のように変化するものの、主な顔ぶれは変わりません。
第1位:人材の強化
第2位:新製品・新サービス・新事業の開発
第3位:事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築売り上げ・シェア拡大
第4位:収益性の向上
第5位:デジタル技術の活用・戦略的投資
【図2】「2021年度 当面する企業経営課題に関する調査」~3年後の課題(上位10項目)の3年間推移
では人事・人財課題の何が最も経営に資するのか
日本企業の経営課題の第1位に「人材の強化」がある為、“人財育成”や“採用強化”、それらを支える“人事戦略・人事制度”が重要と言うことは言うまでもありませんが、第2位以下を見てみても“人事・人財”に関わることの重要性が非常に大きいのではないかと推測されます。
第2位の「新製品・新サービス・新事業の開発」では、開発可能な人財の育成や獲得(採用)が必要です。
第3位の「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築売り上げ・シェア拡大」にも同様のことが言えます。
第5位の「デジタル技術の活用・戦略的投資」は言うまでもありません。
これらを踏まえ、経営課題に照らした人事・人財テーマに関する重要性は、今後の日本企業において非常に重要なテーマであることはご理解いただけたと思います。
では、人事・人財テーマのうち、この有事の時代に何が重要度・緊急度ともに高いのでしょうか。企業独自の課題や方針によって様々な考えがあるかと思いますが、ほぼ共通して優先度の高いテーマは、タレントマネジメントであると考えます。
・新事業や新製品開発を推進できる人財は社内にどの程度いるのか。誰なのか。
・事業強化・再編や売上・シェア拡大ができる人財はどこにいるのか。どの程度期待できそうなのか。
・収益性の向上やデジタル技術活用に適した人財は・・・
と、社内人財を見える化しなければ、これらには対応できません。外部獲得(採用)すべきかどうかの判断もままなりません。
このように考えると、タレントマネジメントをいかに上手く機能させるかが重要であると結論づけられると思います。
しかし、実際にタレントマネジメントへの取組みを拝見する中で、内部リソース(社内に存在する人財が持つスキルや経験 等)の可視化のみが重要視されていたり、システム導入自体が目的化されているケースが多く見受けられます。
タレントマネジメントには、内部リソースに加え必要スキルや必要経験・知識といった“求めるもの”を可視化することも同時に重要であり、これらを有機的に組み合わせつつ、タレントマネジメントをサクセッション(経営人財育成)や最適配置、採用、育成に活用することが重要であると思われます。
その為、手段としてタレントマネジメントシステム(=HOW)を導入し、迅速且つ状況に応じた分析・施策検討を行うことは重要ですが、システム導入以上に何のためにタレントマネジメントを実施するのか(=WHY)、どのようにタレントマネジメントを経営や人事において活用する(=WHAT)のかがタレントマネジメントの成否を握ります。
つまり、2W1Hを描く“タレントマネジメントの企画構想”こそが重要だと考えます。
“内部リソースの可視化“と”求めるもの“の両輪を備えたタレントマネジメント企画を構想する考え方や事例にご関心があれば、是非弊社までお問い合わせください。
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この記事の執筆者
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田﨑 文教HR事業部
シニアマネージャー -
折原 伸明HR事業部
プロフェッショナルマネージャー
職種別ソリューション