ホワイトカラー生産性向上
日本の労働生産性は世界的に見ても低く、かねてより問題視されています。しかし日本の自動車産業や電気機器産業は世界的に見てもかなりレベルが高く、ブルーカラーの生産性はかなり高いものではないでしょうか。ではなぜ日本の労働生産性は、OECD(経済協力開発機構)の公表において、37加盟国中21位(2020年度)と低迷しているのでしょうか。ここでは、日本企業の労働生産性、特にホワイトカラーの労働生産性について見ていきます。
ホワイトカラー生産性向上とは
ホワイトカラー生産性向上は、かねてより日本の課題とされています。生産性とは労働生産性を指し、アウトプット(GDP)÷インプット(労働投入量÷労働者数×労働時間)で求められます。
では、ホワイトカラーとは何でしょうか。
ホワイトカラーとブルーカラー
ホワイトカラーはブルーカラーとセットにして使われます。この「カラー」は色のcolorではなく、collar「襟」です。つまり、ホワイトカラーは白い襟すなわちワイシャツを着て仕事をする人間、ブルーカラーは青い襟すなわち作業着を着て仕事をする人間を指します。一般的にホワイトカラーは事務系の仕事であり頭脳労働、ブルーカラーは工場系の仕事であり肉体労働と言われ、働き方はもちろん、給与や労働環境も違います。
ホワイトカラーの現状
OECDの公表においても日本のホワイトカラー労働生産性は37加盟国中21位(2020年度)と低迷していることは先述の通りです。では、なぜ日本の労働生産性は低いのでしょうか。
その理由のひとつとして、一つの仕事についてインプットの分母である「労働者数」と「労働時間」が多すぎると言われています。労働生産性の高いアメリカやドイツと比較すると顕著で、同じパフォーマンスを行うにあたっても日本企業が投入している労働者数と労働時間が多いということがわかっています。
また、残業が認められていることも「労働時間」を増やす原因であり、結果として労働生産性を落としています。
働き方改革により、労働時間の短縮や雇用機会の増加など、日本企業においても変革が進んでいますが、まだまだ欧米企業など生産性の高い国には追い付いていないのが現状です。
ホワイトカラー生産性向上に必要なこと
ホワイトカラーの生産性を向上させるには、まず労働者の意識改革を行うことが重要です。働き方改革により、少なからず意識する人は増えたかと思いますが、労働時間をいかに減らせるか、また、ワークライフバランスを保ち仕事のモチベーションにつなげるための社内制度の充実や活用、十分な休暇を取り、心身共に健康を保つこと、これらを皆が意識し、働きやすい環境、制度を構築することで労働時間の短縮や業務の効率化など、生産性の向上につながるのではないでしょうか。