グループで「一つの数字」を可視化することを目指した、SAP導入プロジェクトをご支援。
日本電波工業株式会社様のSAP導入プロジェクトをご支援しました。今回は取締役 常務執行役員の竹内 謙様に当時を振り返っていただきました。
- 成果
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- Fit to Standard(アドオン無し)でのERP導入によるITコストの最適化
- 量産型製販モデルへの転換による需給調整・在庫の最適化
- 原価計算方法の統一/決算早期化によるデータ経営の実現
- お客様の課題
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- グループ/グローバルで一貫した経営数値をスピーディに見られない
- システムが足枷になり、ビジネスモデルの変化に製販モデルが追従できず、需給調整コストが肥大化していた
- グループ会社間の取引調整が煩雑化し、統制負荷が大きくなっていた
- レイヤーズのアプローチ
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- シナリオ検証を用いたアジャイル型Fit to Standard導入
- 顧客導入体制とシンクロした体制での伴走支援
- 構想から稼働後フォローまで一気通貫でのアンカー支援体制
プロジェクトの背景と目的
まず御社の事業について教えてください。
竹内さま 当社は、水晶を材料とした「水晶デバイス」を製造しています。水晶デバイスは電子機器の周波数制御や基準信号を担う受動部品で、スマートフォンなど幅広い電子機器に使われる重要部品です。国内に複数工場を持ち、海外にも米・欧・中・台に販社や生産拠点を展開しています。
本プロジェクトを立ち上げた目的・背景は何ですか?
竹内さま 構造改革を進める中で、業績悪化の一因として「会社の数字がきちんと見えていない」ことが明らかになりました。システムの分断で正しい数字が経営に上がってこないため、グループ全体で一つの数字を見られる体制を構築することが社長からの大命題となり、プロジェクトを開始しました。
当初のプロジェクト範囲はどのようなものでしたか?
竹内さま グループ全体を一つのシステムで統一することをゴールに設定しました。本社・国内工場に加え、海外の工場や販社も含めた全社横断の仕組み化を目指しました。
プロジェクト遂行での課題と業務改革の変革点
プロジェクト遂行で直面した主な課題は何でしたか?
竹内さま 旧来システムが各拠点の業務フローに合わせてカスタマイズされており、そのままでは刷新が困難でした。特にSCMは受注生産寄りの独自プロセスが残っており、量産前提の仕組みに変革する必要がありました。また、標準原価による管理が浸透していなかったため、管理会計の手法を刷新しなければならなかった点も大きな課題でした。
業務改革での大きな変革ポイントと、その実行で苦労した点は?
竹内さま 大きな変革は二つあります。ひとつは受注生産的な運用から計画生産・量産向けのプロセスへの転換、もうひとつは標準原価をベースにした経営管理への移行です。苦労したのは、長年の業務慣行と新プロセスのギャップで、システム稼働後に現場で「以前はできていたことができない」といった戸惑いや業務負荷が顕在化したことです。
プロジェクトの進め方・運営上の注意点
プロジェクトの進め方、注意したポイントを教えてください。
竹内さま 部門横断で専任のプロジェクトチームを組成し、基本はFit to Standardの方針で進めました。外部の経験者をリーダーに据え、設計→シナリオ検証→段階的稼働で進行しました。特に注意して力を入れたポイントは、トップからのゴールイメージを継続的に伝えることと、現場に対する説明と巻き込みを丁寧に行うことでした。
プロジェクトの評価と印象に残ったポイント
Fit to Standardでの導入について、成果と反省点は何ですか?
竹内さま 成果はアドオンを極力抑えられたことで、重大なシステム障害が発生せず安定稼働できた点です。一方で反省点は、現場とのすり合わせが不十分でスケジュール遅延や追加の周辺機能開発が必要になったことです。その結果として、現場負荷が増えてしまった点は改善の余地があったと感じています。
国内稼働を終えた評価を、経営視点と現場視点でお願いします。
竹内さま 経営視点では、データ基盤が整いつつあり、人員を新規事業や付加価値創出に振り向ける道筋がたったと評価しています。現場視点では、稼働直後の業務負荷が大きく、現在も運用上の課題が残っているため、定着に向けた継続的な支援と周辺ツールの整備が必要だと考えています。
レイヤーズの関わり方で印象に残った点は?
竹内さま レイヤーズのメンバーは、財務・SCMなど各チームに専任で入り、標準に立ち返る判断を的確に示してくれました。率先して動いてくれ、まるで自社の社員のように伴走してくれた点で信頼関係が生まれ、プロジェクト推進に大きく寄与してもらいました。
今後の展望とメッセージ
今後の展望(構造改革の先にある取り組み)は何ですか?
竹内さま SAPで整備したデータを基盤に、AIやDXの活用を加速させます。まずは品質保証や技術部門でのAI適用で成果を出し、スマートファクトリー化や設計支援、自動化による省人化へ展開していきたいと考えています。データガバナンスと社員のAIリテラシー向上を進め、横串でプロセスを最適化できる組織にしていくことが目標です。
最後に、現場やグローバルメンバーに向けてメッセージをお願いします。
竹内さま 実際に現地へ行って対話し、食事をともにする中で、本当の納得や本音が出てくると実感しました。オンラインでは届かない部分を丁寧に埋め、個別最適ではなく全体最適に向かって現場と一緒に進めていきたいと思います。
日本電波工業株式会社
https://www.ndk.com/jp/- 業種
- 精密機器
- 従業員数
- 1,001~5,000名
水晶振動子や水晶発振器をはじめとする水晶デバイスを中心に、水晶関連製品の開発・製造・販売を手がける電子部品メーカー。水晶デバイスで世界トップクラスのシェアを誇り、グローバルに事業を展開。
取材にご協力いただいた方
竹内 謙様
取締役 常務執行役員
大学院卒業後、リクルートで約4年間営業を経験し、その後日本電波工業株式会社に入社。営業を中心に海外駐在や営業企画を経て、営業企画部長・営業副本部長を務め、執行役員就任後は管理本部長に就任。現在は取締役常務執行役員として管理本部全体を統括。
※会社名、肩書きはインタビュー当時(2026年8月)のものです。
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