ナラティブとは?ビジネスでの意味や注目されている理由を解説

今回は「ナラティブ」をテーマに、人的資本経営におけるナラティブの役割や、ストーリーとの違いなどを、人的資本経営のコンサルティングにおいて多数の支援実績を持つディレクターの小宮 泰一よりご紹介します。

Q1. ナラティブとは?

A. 双方向で腹落ちする対話のこと

小宮 ナラティブ(narrative)は、「物語」や「語り」という意味で、ラテン語の「narrare」(語る、伝える)に由来した言葉です。よく似ている言葉としてストーリーが挙げられます。

ストーリーとナラティブの違いとして、ストーリーは主人公・語り手が固定した状態で一方通行になりやすいことに対して、ナラティブは場面により語り手と聞き手が入れ替わり、双方向での対話を通じて納得感が高まりやすい点が特徴です。

Q2. ナラティブが注目されている理由は?

A. 人的資本経営が進展する中で「人を語る」必要が出てきたから

小宮 ナラティブが注目される理由として、人的資本経営が進展する中で「人を語る」必要が出てきたことが挙げられます。

人の価値や組織の状態は、財務のように数値だけで語り切れず、指標の裏にある背景や狙いを言葉で補う必要があります。
経営者が社員や投資家との双方向の対話を通じて、人に関する数値以外の側面を伝える手段としてナラティブが重要視されています。

先ほどよく似ている言葉として挙げたストーリーも、業界によってはビジネスの文脈で使われていました。

例えば、株式市場の世界では、投資家に向け、事業の強みや市場環境を踏まえた成長戦略を示し、企業価値向上への道筋をストーリーとして説明することがあります。これをエクイティストーリーと言います。
ナラティブという言葉も、ブランディングやマーケティング、臨床心理学、人的資本といった限られた場面で使われていますが、
ストーリーという言葉と比較した時に、これから広がっていくのではないかと考えています。

Q3. ナラティブを上手く活用できていないケースは?

A. 開示や施策の内容から人的資本経営の実情が見えないケース

小宮 ナラティブを活用できていないケースとして、開示や施策の内容から人的資本経営の実情が見えないケースがあります。

例えば、対外開示を意識するがあまりきれいな言葉を並べて開示した結果、実際に取り組めているのか実情が見えないケースや、具体的な施策がたくさん羅列してあるものの、体系的で人的資本経営としてどのように企業価値を向上するのか見えないケースがあります。また、指標・数値の開示は多いが、人的資本経営という観点で、企業価値を高めるということにどれぐらい貢献しているのか見えないケースもあります。

この記事の執筆者

小宮 泰一

小宮 泰一

株式会社レイヤーズ・コンサルティング
HR事業部
ディレクター

株式会社レイヤーズ・コンサルティング
HR事業部
ディレクター

証券業界でアナリスト業務、商社の経営企画・人事業務を経て現職。人事系プロジェクトでは人的資本経営の当社内プラクティスチームをリードして多くのプロジェクトに関わる他、人事制度構築、次世代経営幹部育成等にも関与。中期経営計画・ビジョン立案、M&A支援等の戦略系プロジェクトにも参画。

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