生産管理システムの全体像を解説!導入失敗、稼働トラブルの原因とは?

今回は「生産管理システム」をテーマに、役割や機能などの全体像について、SCM領域における業務プロセス改革で豊富な支援実績を持つSCM事業部 副事業部長の竹森 政弥よりご紹介いたします。

Q1. 生産管理システムとは?

A. 生産に関わる情報と業務をつなぎ、全体を見える化・統合管理するシステム群のこと

竹森 生産計画、資材調達、製造の指示やその実行、在庫、出荷の管理、実績管理に至るまでの生産に関わる一連の業務機能を、統合的に管理もしくは最適化するようなシステムのことを生産管理システムと呼びます。

Q2. 生産管理システムの種類と、それぞれの役割・機能とは?

A. レイヤーズでは役割・機能によって、計画層/運営層/実行層に分類。それぞれが業務の流れに応じて連携することが重要

竹森 生産管理に関するシステムは、多様なものが存在しています。特に当社では、計画層、運営層、実行層という切り口で整理をさせていただいています。



まず計画層には、いわゆるPSI計画・管理と呼ばれるような業務機能に関するシステムがあります。PSIですので、販売計画、在庫計画、生産計画、これらを一気通貫で連動して管理できるシステム機能が、計画層には存在すると考えています。

次に運営層です。運営層は、工場の運営をイメージしていただけると非常にわかりやすいかなと思っています。この運営層には、いわゆる生産管理システム(ERP)や、スケジューラと呼ばれるシステムがあります。

生産管理システム(ERP)は、受注管理や、工程や在庫管理、あるいはMRP(資材所要量計画)と呼ばれる機能を持つ製造業の基幹業務を担保・補佐してくれるシステムになります。特にMRPと呼ばれる資材所要量計算、これは生産計画において何をいつまでに、いくつ用意すべきかを論理的に導き出すような機能で、この生産管理システムの中核的な機能になります。この生産管理システムですが、一般的にはERPと呼ばれる基幹システムの中に、1つの機能として保持をしているケースが非常に多いと考えております。

また、運営層にはスケジューラと呼ばれるようなシステム機能もあります。生産管理システムの中にこのスケジューラの機能がある場合もあるのですが、別のパッケージとして提供されているケースも非常に多いです。MRPとは異なり、このスケジューラでは設備能力や人員制約を考慮しながら日程と順序を組み立てて、モノを作っていく計画の順序を立てることができます。

最後の実行層には、MESやEDIと呼ばれるようなシステムがあります。MESは、生産管理システムが発行した製造指図をもとに、現場の作業者・設備への指示出し、作業進捗や実績、品質、設備稼働などの情報を収集・可視化して、現場の状況をリアルタイムに把握できるシステムです。

ここまで説明したように、計画層、運営層、実行層といった形でそれぞれのシステムがありますけれども、それぞれのシステムが単独で存在するというより、それぞれ業務の流れに応じて連携をして構築をしていくことが非常に重要になると考えています。

Q3. 生産管理システムにトラブルが発生すると、どうなる?

A. 生産ラインの停止、出荷の遅延など、事業へ大きく影響する重大なトラブルが発生する可能性がある

竹森 生産管理システムの導入に失敗すると、一般的には生産ラインの停止や、出荷の遅延といった重大なトラブルが発生する可能性があります。そのため、事業への影響も非常に大きいと考えています。

これが、生産管理システムの導入が嫌がられる理由にもなっているのではないかと思っています。最悪の場合、工場の中での生産停止、もしくは出荷の停止にまで至るというようなケースも考えられます。

Q4. 生産管理システム導入の失敗や、稼働トラブルが起こる原因とは?

A. 構築した生産管理システムと、現場の実態がズレることが原因

竹森 一般的な稼働トラブルの原因としては、構築した生産管理システムと、現場の実態が合ってないケースが多いと考えています。例えばマスターデータ1つをとっても、BOMと呼ばれる部品表から実際の構成とマッチしていないことが原因で、欠品が起きてしまうケースがあります。また、工程のマスタについても、当初考えていた工程と実際の工程が合っておらず、生産の指示が出せないというケースもあります。これらのように、実態とシステム上の設定が合っていないケースが、非常に多く見受けられるのではないかと思っています。

こういったケースになってしまう原因は、日本の製造業における製造現場の力が非常に強く、システムを入れたとしても、そのシステムの標準機能に合わせない独自の業務をやり続けてしまう、といった部分も一因なのではないかと考えています。加えて、事業、工場、製品によってものづくりが異なっているという実態もあり、パッケージなどの標準機能が、実態とマッチしない、標準機能に合わせることができないということがあります。

その結果、製造現場では、生産管理システムの外でExcelや紙の資料を使った運用が引き続き行われてしまうことになってしまうのではないかと考えています。

この記事の執筆者

竹森 政弥

竹森 政弥

株式会社レイヤーズ・コンサルティング
SCM事業部 副事業部長
マネージングディレクター

株式会社レイヤーズ・コンサルティング
SCM事業部 副事業部長
マネージングディレクター

自動車部品メーカーや個別受注型企業(造船業、半導体製造装置メーカー等)、大手家電機器メーカー等に対し生産管理、BOM・品目コード刷新、調達業務改革を始めとするSCM領域に加え、原価管理領域のコンサルティングをプロジェクト実行責任者として多数手がける。

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