個別受注仕様から標準仕様への転換による設計L/Tの抜本的短縮

クライアントが抱えていた課題

当クライアントでは、古くから顧客の千差万別な要求に応える柔軟なカスタマイズ技術を強みとし、業界内で高いポジションを維持してきましたが、近年顧客側の知見者(“仕様のプロ”)が減少するとともに、個別・特殊要求が減り、本来の強みが失われつつありました。さらには、柔軟なカスタマイズの代わりに短納期の要求が強まり、競合はそれに対応しつつある中、御用聞き営業・個別受注設計から脱却できず、その設計L/Tの長さから失注も生じていました。

 

このような喫緊の課題を解決するため、短期間で標準製品を新たに確立し、個別受注から中量産に近いビジネスモデルへ転換することで、競争力を確保することが求められていました。

【図1】課題背景

レイヤーズのアプローチ

プロジェクト開始当初は、製品を部位(ブロック)ごとに区切り、部位ごとのバリエーションを洗い出したうえでそこから標準・オプションを定め、受注時にそれらを組み合わせる“モジュラー化”を手段として想定していました。しかし、取り扱っている製品の特性上、電気回路を含めたブロック化が必要となり、回路全体の中のどの範囲を1ブロックとすべきかの検討に多大な時間を要することが予想されたため、短期間での競争力確保を実現する手段として適切でないと判断しました。

 

そこで方針を切り替え、製品1台としての標準を複数種類定め、これを販売メニュー化する方針としました。また、これまでの販売実績データを基に、どの仕様がどのぐらい売れたのかを分析し、案件の8割をカバーできる仕様を標準と定めました。さらに、データ分析の際にはモジュラー化ではなく、製品1台分の標準仕様を定めることとなるため、個々の仕様ごとではなく、組み合わせで実績を見る必要がありました。全ての仕様を対象とすると組み合わせが膨大となるうえ、細かい仕様については実績データが存在しないという事態も発生するため、仕様を顧客の要望によってバリエーション化できる仕様と、当クライアントとして標準を決め打ちできる(個別要望があっても当社標準に誘導できる)細かい仕様に切り分け、前者を対象とすることで分析を可能にしました。

【図2】標準仕様定義の進め方

成果と顧客満足

今まで標準製品や販売メニューが無く、新たにこれらを創り出すという局面において、最初から100点を狙って足踏みをすることは得策ではありません。特に当クライアントのように、すでに失注まで生じている中では、短期的に効果を創出する必要性が極めて高いと考えられます。

 

これまで当クライアント内では、標準化の必要性を感じていたものの、”標準化”とは何かの統一的な見解が無く、それゆえに手段としての”モジュラー化”という言葉が社内でバズワード化していましたが、それが製品特性や自社を取り巻く状況の喫緊度を鑑みて、適切な手段なのか誰も判断できない状態でした。レイヤーズの外部からの客観的な視点での提言により、自社に合った標準化の方法を見極め、着実に効果を出すためのステップまで明確化することができ、会社を挙げて実行局面に移ることができました。

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