モジュラーデザイン
製品開発においてモジュール化の実現は、仕様の明確化と組み合わせによる短納期での商品提供など大きなメリットがある一方、製品の進化対応ができなくなるなどの課題も同時に抱えています。
当社では、盲目的なモジュール化ではなく、モジュール化自体の目的と対象範囲を明らかにし、自社のコア技術と強みを生かした実現の姿と実現方法を共に考え、実行まで支援します。
モジュール化の必要性
市場のグローバル化、顧客のニーズ多様化により、製品の仕様・バリエーションは増加傾向にあります。
これは、製品競争力の強化につながる一方で、原価・開発期間増大の要因となるため、高収益企業へ変革するには、従来のものづくりの枠組みを超え、本来相反する“多様性”と“生産性”を高いレベルで両立する必要があります。
大量生産と同等の生産性と原価でオーダーメイド品を少量生産しながら生産効率を向上させるためには、仕様と機能の細分化とモジュール化を行い、モジュールの組み合わせでより多くのバリエーションを生み出せるモジュラーデザインを進めることが必要です。
【図1】ものづくりの要求変化にモジュール化で対応する
モジュラーデザインを実現するうえでの重要視点
モジュール化を進める前に、自社におけるモジュール化の目的は何かを明確にすることが必要です。
モジュール化に取り組んでいる企業は多くありますが、実現内容は同じではありません。闇雲に機能分割をしてモジュールを作りこむのではなく、自社の現状課題や内部/外部環境を踏まえ、売り方も含めた対応方法をしっかりと考えることが最重要です。
そのうえで、自社のコア技術を損なわないモジュールの定義の仕方や、今後のビジネスモデルや売り方に合わせたモジュールのあり方などを定義することが重要です。
モジュール化の目的を定義する
モジュール化のポイントは、自社の競争優位性の高い技術を“コア技術”として定義することです。
なぜならば、コア技術をベースにモジュール化し、同時展開することで、競合のシェアを奪い、売上/利益の圧倒的拡大を図ることができるからです。
したがって、単に既存のユニットをモジュール化(共通化)するだけでは、大きな効果は得られません。新興国との製品機能と差別化しながら、価格競争に巻き込まれず、シェアを獲得していくためにはどうすべきかを、戦略的に検討し、モジュールのあり方を描くことが重要です。
【図2】モジュール化のポイント
【図3】標準化とモジュール化の違いの定義
モジュール化の対象範囲を定義し、あるべき姿・全体像を描く
モジュール化の対象範囲として機種間の共用性をどこまで持たせるのか?世代間の互換性をどこまで持たせるのか?そのメリット、デメリットを判断し、方針を決定することが重要です。
また、販売/開発/製造の全体の流れをデザインし、あるべき姿を描きながら、全ての部門にモジュール化の考え方、取り組みによって何が良くなり、関連する部門の仕事の進め方がどの様に変化するのかを共有し理解してもらう必要があります。この理解が不足すると、個別最適が復活し、モジュール化の推進維持は難しくなります。
【図4】モジュール化の対象範囲を決める
【図5】あるべき姿を明確にする
製品のアーキテクチャーを分析し、機能分割を実施する
市場・顧客要求を製品仕様に落とし込み、仕様と機能を関連付けるためには、製品アーキテクチャー分析が重要です。
ユニットや部品の機能分解ができないとモジュール化は成立しません。
具体的には、製品アーキテクチャーを形成する内外の要因や要素をもとに、アーキテクチャー分析を行い、顧客要求や競争優位な自社コア技術を盛り込んで品質機能展開を行い、要求と仕様、仕様と機能、機能と部品の紐づけを明確にしていきます。
アーキテクチャー分析から機能仕様要求を抽出し、仕様間、機能間、部品間の相互依存関係を解きながら独立可能なモジュールの範囲を導いていきます。この時にコア技術に関連する依存性は担保しつつ、ブラックボックス化することが重要です。
上記検討を繰り返し、最終的にモジュール間の影響・依存度が無く独立可能なモジュールを定義します。
【図6】製品構造のアーキテクチャー分析
レイヤーズのモジュラーデザインの構築ステップ
まず、基本構想を行い、目的と狙いを明確にすることが重要です。取り組みの全体像(あるべき姿)を明確にしたうえで、推進体制、費用、期間のロードマップを立案します。
長期的に取り組む必要があることを、トップマネジメントから現場の各部門まで共有し、全社の理解・合意形成を得て、中途半端な取り組みにならないよう決意を持って取り組むことが成功の秘訣となります。
【図7】基本構想の進め方とポイント
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