RPAガバナンスの仕組みの整備
クライアントが抱えていた課題
大手製造業のクライアント社では、働き方を改革し、生産性の大幅な向上を目指し、RPA(Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を開始したところでした。
一方で、RPAの導入後、ロボットの開発や運用を適切に管理しきれず、どこでどのようなロボットが導入されていているかが把握できなくなりました。
ロボットが動作しなくなるリスクやセキュリティ面でのリスク等が顕在化し、RPAによる効果を十分に享受できなくなるばかりか、業務システムへも大きな影響が出かねない状況となりました。
そこで、RPAを健全に運用・活用するためのガバナンスの仕組みの整備に取り組みました。
レイヤーズのアプローチ
ロボットのガバナンスの仕組みに関する当社のナレッジやテンプレートをベースに、クライアント企業の状況を分析し、必要となるガバナンスの仕組みの検討を進めました。
RPAの大規模な構築・運用には、大型コンピューターでのバッチ処理に関するシステム設計や運用管理のノウハウが必要となり、検討にあたっては、基幹システムのシステム設計や運用保守の経験やナレッジを活用し、クライアントのコンプライアンスに沿ったRPA用の開発・運用・保守・ガバナンスの規定を策定しました。
特に、運用や管理、保守に支障が出てしまう恐れがあるような制御不能なロボット、いわゆる「野良ロボット」が発生しないような規定や仕組みづくりを重視しました。
また、RPAの導入後は効果を見える化しないと、自動化により生み出された時間等が薄まってしまい、効果が分かりにくくなってしまったことから、RPA導入後のKPIの設定が重要となるため、RPAの導入を目的化せず、手段の中でどう生かしていくかというRPAの導入企画や自動化対象の業務プロセスの設計面での規定も整備しました。
【図1】RPAの統治と推進の体制
成果と顧客満足
情報システム部門を中心に、業務改革を推進する部門や事業部門も巻き込みながら、実効性の高い規程や仕組み作りを進めていきました。
その結果、健全にロボットの設計・開発・運用ができるようになったことから、各事業部門での推進が加速し、多くの部門で自動化による効果を創出することができるようになりました。


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