ケーススタディ
大手小売業における統合人事システム(COMPANY)導入をコアとした業務オペレーションの高度化・効率化とBPOリプレイスによるバリューアップ支援
レイヤーズ・コンサルティングにおける、統合的な業務オペレーションに向けた統合人事システム、およびBPOリプレイスの支援事例をご紹介します。ファンドによる買収後のバリューアップを目指す大手小売業を対象に、構想策定から導入までを一気通貫でご支援しました。
クライアント
大手小売企業R社
業種
百貨店・小売
従業員数
10,001~30,000名
この事例のポイント
- 課題:人事・給与業務のBPO全面委託によりブラックボックス化し、ミスの多発とコスト不透明性が課題だった。さらに、人材情報も含めて非効率なHRオペレーションとなっていた。
- 対応:標準業務モデルを活用し、統合人事システム「COMPANY」の選定から導入までを一貫して主導した。
- 成果:人事オペレーションを自社に取り戻し、給与計算の正確性とデータ活用が可能な基盤を確立した。
クライアントが抱えていた課題
当クライアントでは、以下のような課題がありました。
ファンドによる買収から約2年が経過し、将来の再上場・バイアウト(売却)に向けた企業価値向上(バリューアップ)が急務となる中、人事領域において以下の深刻な課題を抱えていました。
【課題①】 プロセスのブラックボックス化と非効率
- 業務のブラックボックス化と品質低下
人事・給与業務とシステムを外部BPOに全面委託していたため、自社でオペレーションの実態(AS-IS)が把握できず、また、現行の仕組み(BPOへの丸投げ)ではミスが多発の状態だった。 - データアクセスの硬直化
昇給者リストなどの基礎的な人事データすら、委託先を経由しなければ入手できず、人事データの経営・事業へのデータ活用が滞っていた。
【課題②】 ロックインによる高コスト化
- コストの不透明性とベンダーロックイン
現在のBPO委託費用が適正水準かどうか判断できず、コスト削減が急務であった。
【課題③】 BPO事業者の協力が得られにくい
一方で、BPO先を変更しようとすると既存ベンダーから現行業務のDD(デューデリジェンス)が行えず、業務情報が提供されなくなるジレンマがあるため、自社主導でのシステム刷新・乗り換えを行ううえでの大きな課題であった。
レイヤーズのアプローチ
システムと業務が複雑に絡み合う難局に対し、当社は「構想策定から導入までの一気通貫支援」というアプローチでプロジェクトを牽引しました。
① ビジネス・業務改革(全体設計)
現行業務の情報が開示されない中、レイヤーズが持つBPOやシェアードサービスの豊富な運用知見を駆使。当社のノウハウである「現場の業務オペレーションはこうあるべき」という仮説ベースでの業務モデル(TO-BE)を構築し、システム・業務フロー・組織体制のトータル設計を行いました。
② アプリケーション改革(「COMPANY」の選定と確実な導入設計)
人事給与業務を自社に取り戻す(インソーシング)にあたり、統合人事システムとして「COMPANY」を選定しました。COMPANYは非常に自由度が高く自社の要件に合わせやすい反面、「標準業務モデル」がないため、設定次第で稼働に際して失敗するリスクがあります。しかしながら、当社には、「標準業務モデル」が存在しており、その「標準業務モデル」を活用するとともに、要件定義⇒設定⇒テスト・移行までの一気通貫での支援が可能となることで、業務要件とシステム設定の意図を完全に合致させることを可能としております。
③ プロジェクトマネジメント(上申支援と一気通貫の実行)
通常、要件定義と導入フェーズでベンダーが切り替わるところを、当社が最後まで一貫して主導。また、システム部門や経営層を納得させる「投資対効果」と「効率性の向上指標」を明確に描き、スムーズな社内承認(稟議)をサポートしました。
④ データ改革・テクノロジー改革(厳格なテスト戦略)
情報不足の中でデータ移行を成功させるため、数か月分の勤怠・給与データを用いた並行テストを実施。「COMPANY」上でどこまでデータが一致すれば正解か(ゴール基準)を厳格に定義し、安全かつ確実なシステム移行を実現しました。
成果と顧客満足
本プロジェクトを通じて、外部依存していた人事領域の完全な正常化と自律化を達成しました。
① コスト面の成果
- 既存BPOからの脱却と自社コントロールの回復
ブラックボックス化していた人事オペレーションを自社に巻き取り、業務プロセスの完全な可視化と標準化に成功しました。不透明な運用コストの削減も実現しています。
② 業務品質・データ活用の成果
- 新システム(COMPANY)の安定稼働とデータ活用
顧客の意向に沿った統合人事システム基盤が無事に稼働。給与計算の正確性が担保されただけでなく、欲しい人事データがいつでも引き出せる環境が整い、戦略的データ活用が可能になりました。
③ バリューアップへの直接的貢献
- オペレーションの正常化とシステム基盤の確立により、企業価値の向上に大きく貢献しました。当社が一貫してプロジェクトに伴走したことで、「なぜこの設定が必要か」という業務とシステムの意図が最後までブレることなく、高品質な移行が実現されました。
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