オルタナティブデータ
オルタナティブデータとは
オルタナティブデータとは、投資家や金融機関が投資判断を行う際に利用するデータのうち、これまで伝統的に利用されてきた国の公開情報や企業の決算・財務情報などのデータ(トラディショナルデータ)以外のデータの総称です。非伝統的データ・代替データとも呼ばれます。
従来は投資判断に使うことが難しかったデータですが、機械学習・コンピューター性能の向上によってビッグデータの収集・分析が可能になったことにより、近年海外の金融機関を中心に利用が拡大しています。特に米国では資産運用業界全体でオルタナティブデータの活用が進んでいます。
オルタナティブデータの具体例
POS売上データ、クレジットカードデータ、気象情報、衛星写真、スマホの位置情報に加え、経済ニュースの記事や各種SNSの投稿もオルタナティブデータに含まれます。
オルタナティブデータ活用のメリット
データの速報性
トラディショナルデータは企業や公的な機関から発表されるデータであるため、調査や集計に時間がかかり、速報性に課題がありました。例えばGDPは最も活用されている経済指標の一つですが、四半期に一度しか発表されず、さらに各四半期末から発表までに約1か月半のタイムラグが存在します。
一方オルタナティブデータは、日次で更新される情報や、ほぼリアルタイムで収集可能な形式の情報も多く含み、常に変化し続ける現代社会においてトラディショナルデータを補完する役割を果たしています。
データの詳細性・網羅性
オルタナティブデータは多種多様なデータソースから提供されるため、トラディショナルデータではカバーしていない領域のデータも多く存在します。例えば、消費者のトレンドを把握する際に、トラディショナルデータでは限られたサンプルのアンケート調査がメインになる一方で、オルタナティブデータでは、クレジットカードデータを分析することで、通常の調査では把握できないような最新の消費者の動向を把握することができます。