一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)
JUASとは
JUASとは、Japan Users Association of Information Systemsの略で、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会のことを言います。この団体は、情報活用の推進をはかるために、ユーザーの立場からITに関する様々な調査や研究を行い、セミナーなどを通して普及・啓発活動を行っています。また、毎年「企業IT動向調査」や「ソフトウェアメトリックス調査」などの調査研究を通して、研究報告書の作成や提言などを行っています。JUASが開催するセミナーや委員会、研究会には年間延べ1,000名以上の会員が参加しています。
JUASの役割と活動概要
JUASは、ITの高度利用の推進を通じて日本の産業経済の発展に寄与することを活動の目的としています。この目的に照らして、次のような活動を行っています。
1つ目に、JUASは様々な企業・業種・業態の人材が集まって、交流を深め、意見交換をする場としてフォーラムや研究会を開催しています。
2つ目に、参加者が知識を深め、視座を広げる成長の場として教育研修プログラムを提供しています。
3つ目に、ITやITを通じた経営などの調査と研究を行い、これらを報告書として刊行し、企業課題への提言などを行っています。
JUASは多様な人材が集まって交流を深めることや参加者がよりITの知識を深めることによって、企業の高度なITの活用につなげ、ひいては日本の産業経済の発展に貢献しようと活動を行っています。
会員活動の概要
JUASには様々な会員活動があり、日々研究や活発な意見交換が行われています。JUASの会員活動としては研究会、研究プロジェクト、フォーラムの3種類があります。今回は研究会についてご紹介します。研究会は毎年4月に公募によって募集され、それぞれのテーマについての意見・情報交換の場となっています。以下は2020年度に行われた研究会の一覧です。
- ビジネスデータ研究会
- ITインフラ研究会
- サービスマネジメント研究会
- 企業リスクマネジメント研究会
- ビジネスプロセス研究会
- IT投資ポートフォリオ研究会
- 組織力強化研究会
- システム開発・保守QCD研究会
- デザインスプリント実践研究会
- AI研究会
- デジタル変革リーダー自己育成研究会
- ダイバーシティ&インクルージョン研究会
- 組織内企業家研究会
- アフターコロナ時代のデジタル&イノベーション研究会
- 情報共有研究会
- CITPコミュニティ
- データエクスペリエンス研究会
- 50歳代からの女性のキャリアビジョン
- ITエンジニア育成研究会
これらの活動を通して、会員同士が活発な議論を行い、様々なテーマの研究報告書を発表しています。
著名な定期刊行物と概要
JUASは上記のような会員活動のほかに独自に調査や研究を行って、報告書を発表しています。JUASによる調査で著名なものとして、「企業IT動向調査」と「ソフトウェアメトリックス調査」があります。これらの調査結果は毎年、報告書として刊行されています。
「企業IT動向調査」は1994年度から実施され、ITを使用している企業のIT動向を調査・把握することを目的に行われる調査です。この調査は、企業のIT部門へのアンケートとインタビューによって、企業におけるIT投資やIT活用の現状と変化を調査・分析しています。
「ソフトウェアメトリックス調査」は2004年度から実施され、ユーザー企業からソフトウェア開発作業における開発・保守・運用プロジェクトの実態をソフトウェアメトリックスと呼ばれる評価基準を用いて調査するものです。この調査は、適切なソフトウェア開発発注作業が行えるようにすることを目的として、企業のIT活動を見直す一助となっています。