2023/08/18

成長戦略とは?意味や考え方を解説

#事業戦略
成長なくして存続なし――。企業の成長、つまり利益拡大を継続していくことが、さらなる成長の原資となり、持続的に成長曲線を描いていく好循環を生み出します。その本質を踏まえれば、成長戦略構想は、企業の進むべき未来を照らす羅針盤の役割を担っていると言えるでしょう。一方、日本は人口減少や高齢化といった社会的課題に直面している上に、大多数の産業の国内市場は成熟化し、明確な戦略を描くのは困難な状況です。では、社会の変化スピードが速く、不確実性の高い21世紀において、どこに突破口を見いだせば良いのでしょうか。ここでは、成長戦略を描く上での重要な視点や手法について、事例を交えながらご紹介します。

1.成長戦略とは

成長戦略とは、未来予測をした上で、利益を拡大していく“打ち手”を設えることです。まず、未来予測では情報収集した上で、自社の事業に大きな影響を与える可能性のある要因を特定します。その上で、将来的な事業環境の変化を客観的に予測していきます。
 
併せて、年月を経るとともに変化する顧客ニーズへの対応も重要なテーマです。クライアントへのインタビューなどを通して、ペルソナ分析を行った上で、顧客の価値観やニーズの変化を見越したサービスや価値の提供を検討していきます。ここでは、競合他社とすみ分けを図る“差別化視点”も欠かせません。
 
成長戦略の総合的な方向性という意味では、日本企業の成長戦略の王道は、いかにグローバル化を図るかに尽きます。国内産業の大半は成熟化していますし、日本社会全体としても、少子化や高齢化の課題を抱えています。そのため、グローバル化が進む現状でも、未進出であったり、取り組み切れていない海外市場がいまだにブルーオーシャンであり、大きな成長の可能性を宿す巨大マーケットとなっています。

2.成長戦略の手法

①既存事業の成長戦略

市場浸透戦略

マーケティングや営業の強化を行います。競合他社からシェアを奪い、既存顧客の満足度を高めることで市場シェアを拡大します。

製品改良戦略

既存の製品やサービスを改良・進化させることで、顧客のニーズに合った新たなバージョンを提供します。

地域拡大戦略

既存事業を新たな地域に展開し、新しい顧客層を開拓します。

顧客拡大戦略

既存の顧客ベースを拡大するために、新たなセグメントやターゲット市場を獲得します。

②新規事業の成長戦略

新市場への進出

新規事業を既存の市場以外に展開することで、新たな成長の機会を見出します。

新製品・サービスの開発

既存顧客や新しい市場に向けた新製品やサービスの開発により、成長を促進します。

プラットフォーム戦略

新たなプラットフォームを構築し、他の企業やスタートアップがその上でビジネスを展開できる環境を提供します。

③アライアンス・M&Aによる成長戦略

他の企業との合併や買収を通じて、市場シェアを拡大し、競合他社の強みを取り込んだり、新たな技術やリソースを手に入れる戦略です。

  • 水平統合
  • 垂直統合
  • 地域拡大
  • 新規事業領域への進出
  • 技術/知識獲得

等のパターンがあります。
 
上記の手法を組み合わせて展開しますが、既存事業の成長戦略の柱となる市場浸透戦略においては、いかにDXを活用し、効率的かつ効果的な販売モデル及び利益モデルを早期に構築するかが大切なポイントです。
 
一方、新規事業の創出も重要ですが、新規事業は柱として成長するまで足が長く、短期的な急成長は望みにくいです。そこで、M&Aをどう活用するかが肝となります。新たに取り組む事業分野の選定は、運と縁に頼るのではなく、自社の方向性、つまり“構え”に基づいて判断します。常時、ターゲティングにより業界を絞り、買収候補をまとめたロングリストを基に、積極的にアプローチをかけていきます。買収の売り込みに対しても“構え”を築いておくことで、スムーズな判断が可能となり、方向性と合致すれば、迅速に買収プロセスに入ることができます。
 
ここで注意したいのは、M&Aは買収して終わりではありません。むしろ、買収してからの統合効果を最大化するプロセスであるPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)が肝要なのです。日本企業の場合、PMIが苦手分野だと言われています。例えば、買収しても、統合作業に着手せず、数年間放置するなど、真の業務統合や組織統合がなされていない企業が多数派です。買収後、速やかに統合効果を最大化するプロセスに移行できるかがM&Aの成否を分けます。

3.まとめ

成長戦略を策定するにあたっては、未来予測を行った上で外部環境・競合視点・CX(顧客視点)およびEX(従業員視点)で課題を分析することがファーストステップとなります。それらを基に進むべき方向性を打ち出しましょう。既存事業の変革・新規事業ともに、今後が読みにくい環境を踏まえ、絞り込むのではなく、幅広く仕込みをして、布石を打っていくことが現在の成長戦略の重要ポイントです。

この記事の執筆者

草加 好弘
草加 好弘
株式会社レイヤーズ・コンサルティング
取締役
事業戦略事業部 事業部長
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