要件定義におけるIT全体デザインの重要性

クライアントが抱えていた課題

当プロジェクトでは、業務分析の結果である「IT投資方針」に基づき、DXの具体的な実行に移るフェーズを支援し、複数ある事業分野から特定分野を選定のうえで、業務要件定義を始めることとなりました。
さらに、要件定義の計画策定段階で、クライアントの抱えている悩みは「Fit to Standard」というトレンドへの対応方法に苦慮していたことにありました。

 

業務分析で導かれた要件に対応するためには、ERPパッケージのみを導入するだけでは難しいことも明らかでした。また、この先複数の事業分野のリプレースを進めるうえで、各事業間の関係性も低いことから、全社統一の業務支援としてのツール選定には、一長一短の課題があり、中期的なロードマップにおいても、全社統一ERPとする案と各事業別にシステム選定する案があり、クライアントとしては全体的な機能配置の在り方を重視することになりました。

【図1】業務変革(BPR)を目指す上流工程の体系

レイヤーズのアプローチ

業務要件定義においては、「Fit to Standard」の考え方を適用するためにも、ERPパッケージなどの領域を絞り込む必要がありました。具体的には中期的な視点で複数の事業分野にまたがるような機能を明確にすることと、特定事業分野の業務機能の取り組み優先度を定めていきました。重要なことは、システム要件定義の前提となるシステム間連携(統合インターフェース群)も業務の一つと位置付け、必要となる機能群を整理して、ERPパッケージの選定から分離するデザインとしたことです。

 

事業分野の業務については、ERPパッケージを限定せずにあるべき姿として「To-Be業務フロー」を先行して作成し、事業部門の業務への影響や大きな変更点を明確にする作業を行い、必要となる機能を一覧化させました。また、「To-Be業務フロー/新機能一覧」をベースにERPパッケージの選定も行いました。パッケージベンダーに対しては、標準機能とカスタマイズ機能を機能一覧に対して明示のうえで、具体的な解決方法も検討を重ねていきました。

 

さらに、業務機能を支えるパッケージの決定と合わせ、全社共通機能となる統合インターフェース群との関係性についてもデータ流通に絞り込むことで、全社システムとしての疎結合を重要な方針として要件定義を進めました。

【図2】機能配置と実現方法論

成果と顧客満足

要件定義では、ERPパッケージの選定のために想定される「To-Be業務フロー」をベースに、新しい業務についてのあるべき姿として、新業務フローの作成と合わせ、機能説明図や非機能要件を作成しました。
クライアントの既存業務の可視化と合わせ、同じレベルであるべき姿についても可視化することで、ERPパッケージの選定に機能単位で実現方法を確認することができました。さらに、業務内容によっては外部サービス(SaaS)も活用することで、標準化も強化しました。

 

また、統合インターフェース群については現行システムと新システムだけでなく、今後追加されるシステムとの整合性も踏まえて、あるべき姿を導きだしました。結果としてローコードで設定可能なEAIミドルウェア(Enterprise Application Integration)を比較のうえで選定し、データ流通としてインターフェース一覧を明確にしました。

 

特に、新システムだけでなく現行システムからもデータ流通が可能としたことで、システムの稼働タイミングに関係なくシームレスに情報活用できることとなり、顧客満足度をさらに上げることができました。さらに、ERPパッケージの選定と統合インターフェース群が確定したことで、システム要件定義については比較的スムーズに進めることができました。当クライアントとしては、事業部門での機能と全社で活用する機能が明確になったことから、投資内容や負担割合なども社内で確認することが容易となりました。

【図3】ITデザイン力の必要性

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