大手機械メーカーにおける経済安全保障体制構築の支援

クライアントが抱えていた課題

当クライアントは、過去数年にわたってタスクフォースを中心とした経済安全保障対応の取り組みを行ってきましたが、情報収集・分析については一定の蓄積を得られたものの、経営の判断から現場の実務まで、全社レベルで事業部門を巻き込む点で課題を抱えていました。

 

また、限られた人員リソースの中で効率的な仕組み作りを行う必要がある中で、何から取り組むかが定まっておらず、タスクフォースとして、経営層や関係者を対象とした経済安全保障対応の実行に向けた提言や、定点観測機能の高度化・洗練化が求められていました。

 

さらに、グローバルに事業展開し、売上の5割以上が海外であるにもかかわらず、リスクが顕在化した後に対応することが多かったため、先読みして対策を講じたいとの思いがあり、そのためにモニタリングの強化も必要としていました。

レイヤーズのアプローチ

当初の支援テーマは、先読みに向けたモニタリングや、発信・提言の機能強化を行い、各部門の取り組みを促進することでした。本件の場合、タスクフォース側で日々収集し、配信した情報がなかなか事業部門の取り組みにつながらないということから、報告提言の機能に焦点が当てられましたが、インテリジェンスサイクルを用いて真因を分析したところ、タスクフォースとして事業部門・現場において、どのような情報が求められているかの目的とニーズが不明確でした。

 

経済安全保障の対応にあたって基点となるのは、インテリジェンスとなります。インテリジェンスは情報の収集・分析に重きが置かれがちですが、生産・提供する側もさることながら、インテリジェンスを活用して意思決定する顧客側を交えたインテリジェンスサイクル全体を回すことが重要となります。

 

そこで、情報の目的とニーズを明確化するうえで、事業、機能(バリューチェーン)、国・地域の軸によるフレームワークの作成を踏まえて、タスクフォース側の視点と事業部門現場の視点を揃える形で、事業影響と対応する情報ニーズを抽出し、紐付けを行いました。

【図1】インテリジェンスサイクルと課題検討

成果と顧客満足

上記のフレームワークによって、事業別、機能別で注視・対応する必要のある経済安全保障の課題や情報ニーズが明確になり、情報の受け手である各部門で目線を合わせた情報発信と提言が可能となりました。

 

また、最前線で情報を得つつも、日々の業務に追われる事業部門が見落としがちな点を、第三者的視点で重要度を勘案してアドバイスを行い、国や地域により異なる課題とリスクを補完しました。顧客からは自社事業の観点で経済安全保障の何が課題となるかや、自社の機能(バリューチェーン)のどこに所在するかを、国別地域別で詳細化した点について評価をいただきました。

 

さらに、今後収集する情報と、現場が日々のオペレーションで活用する情報との紐付けがされたことで、経済安全保障と実務が結び付き、各部門で取り組みが自分事化しやすくなりました。加えて、フレームワークに加え、更新に必要な日々のモニタリングを支えるツールとして情報ソースの整理表や、課題テーマに関連するキーワードリストを整備したことで、インテリジェンス機能も強化されました。

【図2】フレームワーク:情報ニーズの視える化

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