食品メーカーの基幹システム再構築
クライアントが抱えていた課題
数十年前に構築したホストコンピューター上の基幹システム(販売、生産、購買、会計等)が老朽化で限界を迎えていました。
また、グループガバナンスの観点から、グループ各社の業務の標準化を進めることが求められていましたが、グループ各社の基幹システムがバラバラで、それが足かせとなり標準化の取り組みが遅れていることが指摘されていました。
そこで、主要グループ会社の基幹システムに同一のERPを導入する「ERPプロジェクト」が発足しました。
レイヤーズのアプローチ
基幹システム再構築の基本構想策定において、当初ERPの機能に基づいて、各部門のあるべき姿(To-Be)を描く予定でした。しかし、検討を進めるにつれ、派遣社員でしか分からない業務がある、既存システム機能の全体像を誰も知らないなど、現状業務・システムがブラックボックス化(たこつぼ化)していることが判明しました。
そこで、遠回りにはなりますが、現状業務・システム(As-Is)の棚卸をしっかりやる方向に軌道修正をかけました。 現状業務・システムをしっかり抑えることにより、隠れていた課題も明らかになり、To-BeとAs-Isのギャップをトップも含めて十分認識でき、プロジェクトとしてまず目指すべき姿(Can-Be)のコンセンサスも取ることができました。
また、本プロジェクトとしてのCan-Beを実現するための業務改革を行ったうえで、要件定義を実施したので、現状業務棚卸・業務改革に時間は掛かったものの、ERPの導入は手戻りが少なく、当初の想定期間どおりにすることができました。
【図1】食品メーカーの基幹システム再構築
成果と顧客満足
グループ各社に同一のERPを導入したことにより、グループ各社の経営情報がリアルタイムで把握できるようになり、経営層の意思決定が的確かつ適時にできるようになりました。
また、グループ各社の業務・システムが統一されたことにより、業務集約(SSC化)や人材異動もスムーズに行うことができるようになりました。
また、プロジェクトで作成した業務機能一覧、業務フロー等の成果物は、単なるシステム開発の成果物に留まらず、各部門としての業務マニュアルとなり、日常的に活用・更新されています。


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