CXOを支えるグループ本社改革とは
~イキイキとしたグループ本社になる!~

日本企業からイノベーションが起きないと久しく言われています。
イノベーションは企業の活力と関係があります。しかし、様々な調査において日本企業のエンゲージメントやイキイキ度が低く、日本企業の活力が失われていることにその原因があるのではないでしょうか。
特に、弊社のコンサルティングの現場では、本社部門の活力の無さが問題となっています。
企業価値向上のために大胆な事業構造の変革を推進していくためには、CXOを中心とした求心力のある本社が変革を進めていく必要があります。
 
今回は、大胆な構造改革における求心力として、CXOを支えるグループ本社を活力のある組織に変革するポイントをご紹介します。

本社管理部門のイキイキ度は低い

昨今、日本企業のエンゲージメント指数やイキイキ度(モチベーション指数)が世界的に低いことが話題になっています。
米国ギャラップ社のエンゲージメント調査2023年版では、日本は熱意あふれる(従業員エンゲージメントの強い)社員の割合がわずか5%で、調査対象125カ国中124位の結果になっています。
日本企業のイキイキ度は当社の調査でも同様の結果になっており、特に本社管理部門の低さが問題となっています。

【図1】本社管理部門のイキイキ度は低い

本社管理部門のイキイキ度が低いままでは、優秀な若手を投入しても辞めてしまうリスクが高く、また、誰も行きたがらない部門に事業部門が従うはずもありません。
本社部門を変革し、活力を取り戻すことは、企業価値向上のための事業構造変革や新事業探索などを進める上での必要条件です。

本社管理部門は、付加価値のある仕事が少ない

レイヤーズでは、業務分析をする際に、各業務を思考分析、情報収集、実作業、資料作成、会議に分けて分析します。一般に付加価値のあるコア業務ほど思考分析の比率が高くなり、また、思考分析が多いほどイキイキ度が高くなります。
そうした観点からイキイキ度が低い本社管理部門とイキイキ度が高い部門を比較した場合、本社管理部門の思考分析の比率が低い傾向にあります。

【図2】イキイキ度の低い本社管理部門とイキイキ度の高い部門の比較

当社の経験では、思考分析とイキイキ度には相関関係があるため、本社管理部門をイキイキさせるためには、仕事そのものを付加価値のある仕事に変えていくこと(コア業務中心にしていくこと)が必須と言えます。

コストセンターから価値創造部門へ変革する

一般に、本社は管理部門=コストセンターと見なされており、事業部門からは本社負担費を軽くしてほしいなどと言った声も多く聞かれます。本社は、本当にコストセンターなのでしょうか。

財務部門なら、機関投資家との対話を通じて企業価値を向上させたり、人事部門なら人的資本価値を高めたりと、本来は個々の事業部門ができない企業全体としての価値(コングロマリットプレミアム)を創造する部門ではないでしょうか。

本社を、管理部門=コストセンターではなく、価値創造部門として変革するためには、経営層や他部門からの期待を反映し、「本社の存在価値は何か?」「何のために存在しているのか?」 「何の価値を創造しているか?」といったミッションを再定義することが重要です。

【図3】グループ本社のミッションの再定義

グループ本社機能を3つの役割から定義する

グループ本社としてのミッションを明確化した上で、そのミッションを果たすために、本社を3つの役割から定義することが重要です。 具体的には、経営企画・管理、経理・財務、人事、ITなどの機能ごとに、戦略策定や戦略的アドバイスを担う戦略家、専門家集団としての専門家、オペレーションなどの実務を担う実務家といった観点からグループ本社機能を定義します。

【図4】グループ本社の3つの役割

また、戦略家は事業ラインに合わせて配置、専門家はグループ本社に配置、実務家は地域統括会社等に配置することが一般的ですが、各社の状況に合わせて配置を決定し、具体的役割・レポートライン・事業との関係等を定義していきます。

業務改革は、明日の仕事の創造にシフトする

今までの業務改革は、今の業務の『効率化』を重視し、工数削減に注力して実施されています。失われた30年の間に、本社は特にターゲットにされ、繰り返し業務改革を迫られ、本社の現場は疲弊しているといえます。

こうした工数削減を中心とした業務改革をしていたのでは、本社部門はイキイキとした部門に変われません。今後は、経営者や他部門から期待され、組織のミッションから求められているが今はできていない、将来の価値創造に向けた「明日の仕事」を創ることを中心とした業務改革を実施していくことが重要です。

【図5】明日の仕事を創造する業務改革

以上のように、今回は、大胆な構造改革などにおける求心力として、CXOを支えるグループ本社を活力のある組織に変革するポイントをご紹介いたしました。
皆様とCXOを支える強いグループ本社を創り、日本企業のグループ経営を強化し『稼ぐ力』を取り戻したいと考えております。

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