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最キョウのCFO組織になる
~共感、協創、協働する組織~

企業価値向上のためにはCFO組織の整備が必要

2014年にコーポレートガバナンス・コードが制定されてから、日本企業の持続的成長と中長期的企業価値向上のために様々なガバナンス改革が取り組まれております。しかし、ROEやPBRが低い現状を考えると、日本企業の企業価値向上の取組みは、まだまだと言わざるを得ません。

なぜ、日本企業の企業価値向上や資本効率向上の取組みが進まないのでしょうか。その原因の一つに、企業価値向上や資本効率向上を計数でストーリーを持って語るCFO組織が弱いことがあげられます。

日本企業では、経営企画ラインと経理・財務ラインが別系統になっていることが多く見られ、それぞれ担当役員が異なるケースもあります。この場合、往々にして事業管理・管理会計と財務会計がCFOの指揮下で一体的に運用されず、企業価値向上、資本効率向上のためのマネジメントが分断されてしまいます。

両系統をCFOが束ねるCFO組織の整備は、事業部門と連携した企業価値向上の取組みにおいて最重要課題と言えます。今回は、「事業部門と共感、協創、協働する最キョウのCFO組織」を創るためのポイントと事例をご紹介します。

横串としてのCFO組織とは

各事業部門の企業価値向上のための活動を推進し、かつ進捗状況をモニタリングしていくためには組織内の神経系統を整備する改革が必要となります。

この神経系統が整備されていないと企業価値向上ために欠かせない営業や生産などの現場情報が事業部門内に埋没してしまい、CFO及びその部門スタッフが適切な情勢把握も改善提案もできません。

経営管理・管理会計システムにより自動的に情報を吸い上げるICT環境整備も重要ですが、それだけでは活動の推進力にはなりませんし、CFOの意図や指示が伝わりません。先ずは、人の神経系統をしっかりCFO組織として整備することが優先課題となります。

BP(Business Partner)ラインの構築

具体的には、事業管理・管理会計を担う事業管理スタッフをCFOの指揮命令系統に入れ、横串としての彼らを通じて現場にある計数データを吸い上げ、それを測定・分析した上で、CFOの意図や指示を再び彼らを通じて現場に浸透させます。

この時、事業管理スタッフはCFOから派遣された監視役ではなく、現場に入り込んで伴に(ともに)改革活動を推進していく立場として心を一つにしていくこと(共感)が重要です。また、改革活動を現場で推進していくために、事業部門が納得する施策を共に作り(協創)、伴に汗をかいて実行していくこと(協働)も重要です。そうでないと、現場の反発を招き、結局はCFOとつながる神経系統が機能しなくなります。

事業部門長を機長に例えるならば、事業管理担当は副操縦士であり、運命共同体として共感する同志の位置付けになります。言い換えれば、事業部門長の「ビジネス・パートナー(BP: Business Partner)」と言えます。

事業部門長の近くにいて計数を基に進むべき方向性をその都度示し、伴に改革活動をリードしていくCFO組織を構築できれば、改革活動は力強く前進していくと言えます。

専門家機能の強化(CoE)

CFO組織としては、更に専門家機能の強化が必要です。IFRSへの対応等会計基準が国内外で大きく変わってきており、それに合わせ業務プロセスも大きく変えていく必要があります。また、グローバルでの税務や財務の最適化など、幅広い知識や経験も求められてきております。これらの要請にCFO組織として応えていくためには、CFO組織の中にCoE(Center of Excellence)を創る必要があります。

CoEは、単に会計制度・ルール等を整備するだけでは不十分です。事業部門や各社が利用できる共通言語化された『事業運営の基盤=ビジネスプラットフォーム』を構築することが重要なのです。日本企業はこのビジネスプラットフォームを事業部門・子会社に任せ切りでバラバラになっていることが多く見受けられます。例えば、会計システムがグループ全体で統一されていなかったり、同一のERP製品を利用していても設定やデータがバラバラで実質的に別々のシステムと同様となっていたりするケースが多いのが実状です。 企業価値向上やガバナンスの観点から、早急にこのビジネスプラットフォーム構築に取り掛からなければいけません。

オペレーションの磨き上げと極小化(OPE)

BP、CoEを実質的に運営するためには、専門家として人財も限られていますので、これを補強していく人財を生み出していかなければいけません。そのためには、今あるオペレーション業務を磨き上げ、人がやる業務を極小化して余力を創出する必要があります。そうした観点からOPE(Operational Excellence)を考えていく必要があります。

OPEは、前述のビジネスプラットフォームにおいて、具体的な業務を事業部門や各社に提供する役割を担います。また、業務の極小化の観点から外部にアウトソーシングすることも必要です。

CFO組織の3つの役割

以上の役割を整理すると、CFO組織にはBP、CoE、OPEの役割があるということになります。

BP、CoE、OPEの配置は、BPは事業ラインに合わせて配置し、CoEはグループ本社に配置し、OPEはシェアードサービスセンターとして地域統括会社等に配置するのが一般的です。

企業価値向上のためのタスクフォースの結成

人の神経系統整備のために組織を改革し、同時にCFO組織のスキル再構築を図るには、通常、相当の期間が掛かります。一足飛びにそれができない場合、「改革タスクフォース」をCFO組織の中に立上げ、そのタスクフォースのメンバーが、その都度事業部門の課題を明らかにし、改善施策を事業部門メンバーと立案し、実行するといった方法もあります。

タスクフォースは、CFO組織のメンバーと各事業部門から集められたメンバーで構成されます。タスクフォースのメンバーは、会社の将来を担っていくような次世代のメンバーをアサインすることがポイントです。計数分析に長けたメンバーだけでは、現場を動かすパワーにはなりません。計数分析には必ずしも明るくなくても実行パワーのある現場のエース級人材を入れることが重要です。そうしたメンバーが、各事業部門の課題解決のために事業部門と苦難をともにすることが、将来の経営者としての資質を身に着けることになります。

最キョウのCFO組織としての人財の育成

人の神経系統を上手く機能させるためには、CFO組織の整備に留まらず、CFO組織のメンバーのリスキルも合わせて行う必要があります。

CFO組織のスタッフは経理担当者をはじめとして日常的に数字を扱う存在であり、分析力には長けていると言えます。しかし、資本効率向上に向けた施策を現場で推進していくためには、分析結果を基に事業部門が納得する施策をつくる企画立案力、施策を実行していく実行力が必要です。

従って、やるべき仕事の範囲やスキルが多様化・高度化していることを前提に、キャリアプランの明示と段階的なOJTとOFF-JTの組合せでスキルの強化に取り組むことが重要です。

企業価値向上をストーリーを持って語る

日本企業は、P/L中心のパフォーマンスチェックが主流ですが、資本効率の向上を図っていくためには、B/Sでのマネジメントを行わなければいけません。資本効率の指標としてROICを採用した場合、ROICのハードルレートを如何に設定するかが最適な資源配分を行う上で重要な論点ですが、残念ながらそうした議論が進んでいない企業が多いのも否定できません。

B/Sは単なる結果だという誤解があるかもしれません。P/Lは確かに過去の一定期間の業績結果ですが、B/Sは将来に向けてどれだけの企業価値を生み出すかを現在価値にしたものです。だからこそ、キャッシュを生まない固定資産は減損処理を行います。それゆえ、「B/Sは経営者の意思が表れる」と言われているのです。

CFO組織は、こうした企業価値向上のメカニズムを事業部門に理解、浸透させるとともに、企業価値向上を計数として具体的にストーリーを持って語ることが重要な役割と言えます。

特に、企業価値の多くを占めるのは、非財務資本(製造資本、知的資本、人的資本、社会・関係資本、自然資本)と呼ばれる見えない資本です。今後は、こうした非財務資本と企業価値の関係を明確化して、投資家と対話していくこともCFOとしての重要な役割と言えます。

機械メーカーにおけるBX-TFによる業務改革

ある機械メーカーでERPを全社で導入することになり、導入プロジェクトを組成し検討開始しましたが、思うように進みませんでした。原因は、現状の業務やシステムの全体像を誰も理解していなかったからです。そこで、CFOがプロジェクトリーダーになり、ERPの導入検討を一旦止め、業務改革を推進するBX-TF(ビジネス・トランスフォーメーション・タスクフォース)を新たに作り、そこが中心となって、現状業務の見える化、各部門課題の解決に取り組みました。そうした地ならしや下準備を行った上でERP導入プロジェクトを再開し、導入することができました。

以上のように、ROE8%以下、PBR1倍以下の企業が4割もある日本においては、強いCFO組織が企業価値向上に向けて改革を推進していくことが必要です。CFO組織が、事業部門と共感、協創、協働して、早期に価値毀損状態から脱却すべきです。今回ご紹介した最キョウのCFO組織の創り方の詳細については、是非、お問合せください。皆様と一緒に最キョウのCFO組織を創り、日本企業の『稼ぐ力』を取り戻したいと思っております。

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