【第12回】会計システムで経費管理ってどうやるの?
◆この記事の要約
会計システム刷新で悩みやすい「経費管理」を、経費管理サブシステム/クラウドサービスの位置付けから整理します。本記事を読むと、個人立替精算処理・請求書払処理・承認ワークフロー処理・会計システム連携処理の要点と導入判断がわかります。
- 経費管理サブシステムの主要機能:個人立替精算処理(旅費交通費・交際費等)と請求書払処理を軸に、申請・承認・管理を効率化。
- 入力負荷と誤謬の予防:交通系ICカード、領収書/請求書の画像・PDF添付、OCR、消費税計算、ルート金額チェック等で、仕訳に不慣れな従業員でも運用可能に。
- 承認ワークフローの見直し:上長・部門長・経理担当者の承認、修正依頼・棄却、事前承認や金額超過アラームまで対応しつつ、承認の簡素化(権限移譲)でハンコ文化を是正。
- 一般会計への連携導入ポイント:仕訳生成して一般会計に連携するタイミング/データの流れを導入時に確認し、ライトユーザー対応やライセンス料の増大回避、分かり易いユーザーインターフェースでクラウド採用も検討。
昨今では、クラウドサービスとして、また経費精算システムとして、様々なサービスが提供されているため、ERPや会計パッケージの導入にあたっては、それらのクラウドサービスを導入するか、経費管理サブシステムを導入するかの判断が重要となってきます。
そこで今回は、ERPや会計システムパッケージによる「会計システム刷新のキホンのキ」として、会計システムにおける経費管理サブシステムについてご紹介します。
経費管理サブシステムの主要機能
経費管理サブシステムは、企業の一般従業員が経費の申請、承認、管理を効率化するためのサブシステムです。
【図1】会計システムのシステム構成イメージ
経費管理サブシステムとしては、主に個人の旅費交通費や、交際費等の立替払いを精算する個人立替精算処理機能と、取引先からの請求書等に基づき、経費を計上する請求書払処理機能があります。
個人立替精算処理
個人立替精算処理
個人立替精算処理は、従業員が立て替えた経費(交通費、宿泊費、交際費など)の処理を行います。
経費精算申請入力画面から、経費の種類(交通費、宿泊費、交際費など)を選択し、金額や日付、利用目的などを登録します。交通系ICカードからの登録機能があるものや、消費税計算、ルート金額チェック、通貨換算など入力時の誤謬等を検証する機能があるものもあります。
【図2】個人立替精算の入力項目
また、経費に関する証憑として、スマホやPCから領収書の画像やPDFを添付できることが一般的です。
画像やPDFからOCRで入力項目の自動設定ができるものもあります。
個人立替精算では、仕訳に不慣れな従業員を前提としているため、仕訳形式ではなく入力項目を絞る、勘定科目等を使用しない(電車代、タクシー代、新幹線代等)、貸方科目は自動設定するなど入力の手間を防ぎ、間違いを予防できる機能が備わっているものが望ましいといえます。
仮払い処理
事前に従業員が旅費等の仮払いを受ける場合に、従業員への支払処理を行います。従業員が必要時に、画面から仮払い希望額を入力して申請し、個人口座に入金されることが一般的です。個人への仮払金は、個人立替精算時に仮払い精算が行われます。仮払金の戻し処理などをどのように行うかは、経費精算サブシステムで異なるため、導入時に確認が必要です。
請求書払処理
請求書払処理は、取引先からの請求書に基づいた経費の処理を行います。
経費申請入力画面から、取引先、経費の種類(消耗品費、外部委託費など)を選択し、金額や日付、使用目的、支払予定日などを登録します。
【図3】請求書払の入力項目
経費に関する証憑として、スマホやPCから請求書の画像やPDFを添付もできるものもあります。
また、画像やPDFからOCRで入力項目の自動設定ができるものもあります。
請求書払処理では、仕訳に不慣れな従業員を前提としているため、仕訳形式ではなく入力項目を絞る、勘定科目等を使用しない(文具、宅急便等)、貸方科目は自動設定するなど入力の手間を防ぎ、間違いを予防できる機能が備わっているものが望ましいといえます。
承認ワークフロー処理
承認ワークフロー
個人立替精算や請求書払として登録された経費を、会社のルールに基づき上長、部門長、経理担当者など複数の承認者を設定するワークフロー処理を行います。ワークフローでは、申請内容の承認、修正依頼、棄却などができます。また、承認依頼や結果をメールやシステム内通知で自動連絡することもできます。
日本企業では、従前のハンコ文化が根強く、1つの経費に対して10個以上の承認を得る企業もありました。これは日本企業の悪弊ですから、経費管理サブシステムの導入を機に、承認のルールを変更し、承認の簡素化(権限移譲)を行うのも一つです。なお、ワークフロー機能の豊富さ(段階数、ルート設定、戻り処理等)は、経費管理サブシステムごとに異なるため、導入時に確認が必要です。
事前承認ワークフロー
旅費や経費が発生する場合、事前に発生金額を想定し、会社のルールに基づき上長、部門長、経理担当者など複数の承認者を設定するワークフロー処理を行います。前述の仮払金もこのワークフローで処理します。事前承認を行った場合、その後の経費申請と比較ができるものや金額の超過等のアラームを出すものなどもあります。
会計システム連携処理
経費管理サブシステムにおける経費計上処理や、仮払金精算処理等にともなう仕訳を生成し、一般会計に連携します。経費管理サブシステムと一般会計サブシステムの仕訳やデータの連携は、ERPや会計パケージ、クラウドサービス等によってシステム構成とデータの流れが異なりますので、両者間でどのようなタイミングでどのような動きになるのか、業務運用上留意すべき点は何かなど、導入時に確認することが必要です。
導入上のポイント
経費管理サブシステムは、クラウド型のサービスとして様々なものがあります。会計システムの提供会社とは別のサービスを利用しているケースもよく見受けられます。特に、会計システムの利用者数の増大によるライセンス料の増大を避けるため、会計システムのライトユーザーについては、経費管理サブシステムで対応したりすることも多いようです。また、クラウドサービスの方が、ユーザーインターフェースが分かり易い、他のクラウドサービスと組み合わせ易いといった理由で採用するケースもあります。
まとめ
今回は、ERPや会計システムパッケージによる「会計システム刷新」のキホンのキとして、会計システムにおける債権管理サブシステムについてご紹介しました。今後の会計システム刷新は、ERPや会計パッケージに限らず様々なクラウドサービスやAIサービスを活用して「真に経営に資する情報システム」として実現する必要があります。個別のERPや会計パッケージ、クラウドサービスの活用のポイントについては、是非レイヤーズ・コンサルティングにお問い合わせください。


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この記事の執筆者
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村井 泰三経営管理事業部
バイスマネージングディレクター -
山本 晶代経営管理事業部
ディレクター -
飯田 稜大経営管理事業部
シニアマネージャー
職種別ソリューション


