電力小売事業の自由化に向けた基幹システムの構築支援
クライアントが抱えていた課題
従来は規制されていた家庭や商店向けの低圧電力の小売事業が2016年4月に自由化されました。
クライアントの企業では、自由化されていた高圧電力の販売はこれまでも行っていましたが、家庭向けの低圧電力の小売り事業にもこの自由化のタイミングで参入することを決めました。
しかし、参入を決めた当時は、低圧電力自由化に関する制度の詳細が十分に決まっていなかったこともあり、事業の参入に向けた業務設計等に関する相談を受けました。
レイヤーズのアプローチ
当初は業務設計を行うことでお客様の検討チームに参画しました。クライアントの企業グループ会社全体との連携を踏まえた販売手法や商材のバンドルの組み合わせ・料金体系等の検討から着手し、業務プロセスの設計、ユースケースやデータモデルの設計等を進めました。
当初、電力システムの開発は以前よりクライアントと関係のあった外資系ベンダーが行っていましたが、日本の新電力の市場や日本の商慣習に関する理解が十分でなかったことから、要件定義の段階から難航しました。
自由化解禁となる2016年4月に向け、進捗状況が著しく悪かったことから、クライアントのマネジメントに対して稼働に向けた問題点やリスクの分析・報告をし、理解を得ることで並行して「プランB」の検討を開始する承認を得ました。
2016年4月1日にサービスを開始するのは必達目標であり、「プランB」として国内ベンダーとの検討も並行して進め、外資系ベンダーでは2016年4月を迎えられないと経営判断されたタイミングで素早く国内ベンダーに切り替え、本格的な開発を開始しました。
成果と顧客満足
大量の事前申し込みのデータ移行を含め、2016年4月のスタート時に電力自由化への対応を完了させ、新システムを使用して営業や請求業務を決められた期日通りに開始することができました。
申し込みデータには手で記入された申込書などからのデータの誤りも多く、クライアントとともにデータをひとつひとつ検証しながら解決を進めました。
クライアント企業と二人三脚で問題解決に取り組み、期日通りに各種サービスを開始することができたことに対して、クライアントの評価を得ました。
また、開発ベンダーの評価や「プランB」への対応をはじめ、危機管理を含めたプロジェクトマネジメントについても評価を得ました。
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