レイヤーズ・コンサルティングの、小売業における共通サービス基盤検討に関する支援事例を紹介します。複数社経営統合により分立していたIT基盤に対し、営業部門とIT部門の認識のずれを解消しながら顧客情報活用を進める方法をご支援しました。
◆ この事例のポイント
- 課題:経営統合によりITが分立し、顧客情報の抽出・整備に多大なコストと時間が見込まれた。
- 対応:営業部門とIT部門の認識のずれを仮説として整理し、上位10%顧客の抽出から着手する解決策を提示した。
- 成果:上位顧客への営業戦略を実践でき、部門間の先入観を打破する気づきにもつながった。
クライアントが抱えていた課題
業界全体が業容改善に腐心する中、クライアントは顧客情報を抽出して購買動向を分析し、マーケティング・オートメーション(MA)やワン・トゥ・ワン・マーケティングを通じたビジネス展開を企図しました。
しかし、クライアントは複数社が経営統合した経緯があり、ITも過去の企業単位で分立した状態でした。営業部門の顧客情報抽出・名寄せ整備の要請に対して、IT部門は相当なコストと時間がかかると判断し、営業部門に消極的に回答、営業部門は断念すべきか悩んでいました。
レイヤーズのアプローチ
営業部門とIT部門の間に誤解があるのではとの仮説を立てました。具体的には、「営業部門が現実に欲するのは上位10%程度の優良顧客である」のに対し、「IT部門は顧客データ100%の抽出・整備」と理解しているのではないか、という仮説です。
この仮説が正しければ、上位10%を目視名寄せする手段も現実解となります。
IT部門は、おおむね上位10%を抽出して営業部門に引き渡し、営業部門はExcel等で目視名寄せし、ビジネス展開しました。
その間にIT部門は、中位30%の顧客の抽出・整備の方法を検討したり、新たに上位10%に加わった顧客を検出・通知する時間を稼ぎました。
【図1】あるべきシステムデザイン例と本事例の検討領域 成果と顧客満足
成果と顧客満足
- 上位顧客に対する営業戦略の実践。
- 顧客情報利用の段階的拡大に向けた機運・モチベーションの高揚。
- コミュニケーションと発想の転換に係る気づき。完全なマスター統合がデータ利用の最適解とは限らない。つまり、先端技術やデータアナリストがなくとも一歩前に進める。
- 「営業部門は『できない相談』を持ってくる」「IT部門に相談してもおそらく無駄」という相互の先入観の打破。
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