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【図】求められる経営情報の変化
しかしながら、現在あらゆる企業において、デジタル技術で収集した情報を「経営コックピット」として活用を進めようとしていますが、大きな効果が出ている企業は非常に少ないと考えています。 特に、製造現場や個々の部門では進みつつあるものの、いざ経営側や部門を飛び越えた活用となると、欲しい形で情報が集まってこない、「現場と経営のデータ分断」が起こっているケースが散見されます。
【図】経営と現場の乖離
では、何故情報活用が上手くいっていないのでしょうか。失敗する原因は様々ありますが、多くはデータ活用の仕組みにとらわれ、そもそものKGI・KPIといった指標の定義や因果関係が不明確なまま設定されていることが多いことに起因します。 良くある失敗事例としては以下が挙げられます。
【図】経営コックピットの失敗事例
ではどのようにすれば、デジタル化を成功させることができるのでしょうか。 大きく3つのポイントがあると考えております。 ポイント1:目的の明確化 ポイント2:『リアルタイム』の再定義 ポイント3:行動につながるKPI
経営コックピットや見える化・KPIというプロジェクトが走ると、つい必要な数値・ITが何かという、「How」の議論になりがちです。 本来は、自分達はどうなりたいのか、そういったビジョン・ミッションに基づき目的を明確にする「Why」の議論が最優先です。 その後に、その為にどういう戦略になるのか、その戦略を達成するための組織や最適なPDCAは何か、そのために必要な数値・ITは何か・・・と順を追って必要なことを詳細化していくプロセスが非常に重要です。
【図】目的明確化の重要性
世間でいう「リアルタイム」とはあくまで即時にデータをとる、という定義が一般的です。 弊社はリアルタイムを「意思決定の迅速化+行動アクションの最適化・迅速化」であると定義しています。 つまり、本来リアルタイムでやりたいことは、意思決定を早くするだけでなく、その後のアクションまでのリードタイムが最適化され、迅速なアクションにつながることではないか、と考えております。
【図】リアルタイムの再定義
例えば、4時間に1回しか改善ができない組織があったときに、リアルタイムは不要、という考え方も正解です。4時間おきにデータがあればいいのです。その仕事にとってのリアルタイムはどのタイミングなのか?ということを真剣に考えて頻度を決定してくことが重要です。
KPIはほぼ達成しているのに、なぜかKGIは達成していないということが往々にして起こります。 そのためには、KGI未達成のなぜなぜを繰り返し、予め分析シナリオを考えておくことが大切です。 KPIや数値に固執せずに、分析シナリオのなぜなぜの結果が、現場のどのような行動・活用につながっていくか、を見ていくことが非常に重要となります。
【図】分析シナリオイメージ
3つのポイントを踏まえ、弊社の「CAP-Do Proactiveマネジメント」というコンセプトをご紹介します。 CAP-DOというのはいわゆるPDCAを半回転させたもので まず把握(Check)からはじめ、問題となっている部分を可視化し、いち早く施策立案(Action)、計画策定(Plan)、実行(Do)していき、改善のスピードを高速回転で回していこうという考え方です。 一方ProactiveはCAP-DOで出てきた実績値をベースとして未来予測を実施し、目標達成のために現場-ミドル-TOPが一体となった改革をしていこうという考え方です。 これらをハイブリッドで活用することで、様々な企業様の迅速な意思決定とアクションが実現します。
【図】CAP-Do Proactiveマネジメント
とある大手製造業では、本社―製造本部―製造子会社におけるデータがExcelのバケツリレーでつながっており、いざ問題が発生した後の対応が非常に遅れていたという課題がありました。 そこで、CAP-Do Proactiveマネジメントのプラットフォームを導入し、皆が同じデータを見て、必要な時に必要な分析シナリオで原因分析を行うことで、意思決定からアクションまでのスピードの迅速化を実現しました。 さらに、あらゆる変化(製造数量の変化等)が起きた場合の影響を常にシミュレートし、予算・中期計画へ継続的にフィードバックを行い、計画目標達成に向けた取り組みを進めています。 加えて、本取り組みでは、本部と子会社の機能配置を見直しております。本部をCoEとして機能強化し、本部から専門的な各種支援をすると同時に、生産現場も変化に強いものづくりを目指して、設備の汎用化や多能工化の教育改革といった施策も並行で進めております。
【図】事例:大手製造業における経営コックピット構築の取り組み
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