Z世代の本音は?
今が企業の価値観をアップデートするとき

「最近の若者は何を考えているのかわからない」のであれば、直接若者に聞くのが一番です。「X世代が会議室に籠って施策を考えても有効な施策は生まれてきません。
Z世代を集めて本音ワークショップを開催して企業課題、若手視点からの施策を出していくことで、企業の価値観をアップデートしていきます。
イノベーションを生むのは素人、門外漢、そして若手です。
Z世代を理解し、価値観をアップデートすることで、イノベーションに繋げていきます。

Z世代が世界人口のNo1世代

2021年新語・流行語大賞のTOP10に「Z世代」が入りました。Z世代とは1996年から2012年生まれの10歳から26歳の世代を言います。

【図1】世代名称一覧

このZ世代に世界が注目しています。大きな理由は、いよいよこの世代が20代になってきたこと、そして社会人となり、購買ターゲット、採用ターゲットになってきたということがあります。そして、ある調査結果では世界の人口77億人の32%をZ世代が占め、Y世代(ミレニアル世代)の31%を超えて一番人口が多い世代となり、世界が注目している理由となります。
 
ただし、日本においては少子高齢化によりZ世代の人数が日本人口の15%しか占めていないため、まだそこまで注目されていないように感じます。

Z世代の特徴

「最近の若者は何を考えているのかわからない」と日本ではずっと昔から言われており、世代が違うと理解ができないというのが日本企業での日常です。
このZ世代に対しても、Z世代とはどんな価値観を持っているのか、何者なのか、どうすれば購入してくれるのか、どうすれば採用できるのか、といった悩みを多くの企業が抱えております。
 
Z世代の特徴を一部ご紹介させていただきます。

デジタルネイティブ

よく言われる特徴は、Z世代は生まれたときからデジタルにどっぷり浸透していて、スマホを使いこなしている世代であることです。
X世代はインターネットがなかった時からWindows95でインターネットが普及した変化のタイミングを目の当たりにして、Y世代はスマホがなかったときからスマホが普及した変化のタイミングを経験して、「ない」から「ある」に便利になる瞬間を体験してきました。
しかしZ世代は生まれたときからデジタル、サイバーの世界が当たり前の世代になります。
 
スマートフォンやSNSを当たり前のように使いこなし、各種プラットフォームをしっかりと使い分けています。
Googleで検索してから辿り着く!というのではなく、情報収集ならTwitter、何かをしっかり学ぶならYouTube、欲しいものがあればAmazonで検索して、レビューを見てYouTubeで購入者の動画を見て、お店で実際に触り、Amazonで購入する、といった形で使い分けをしております。
1つのSNSで複数のアカウントを使い分けるのもZ世代では当たり前です。

カスタマイズ、パーソナライゼーション、個々人向けの最適化が当たり前

Cookieによるマーケティングによって、一度Webで調べたものや、購入しようとしたけど購入しなかったものが、どこのWebに行っても追いかけてくるレコメンドが、一時期、気持ち悪い!怖い!あやしい!と話題になりましたが、いまだにその感情を抱くのはやはりX世代が中心で、Y世代ではWebの世界なのでそのようなものだろう、と受け入れていき、さらにZ世代になると、個人の情報・データは渡すが、それを使うのだからその代わりに私好みにしっかりとカスタマイズしてもらうのが当たり前という考え方になります。
 
個人のデータを渡しているにもかかわらず、自分好みのものではないものが推奨されるサイト、つまりカスタマイズ、パーソナライズの精度が低いと、そのサイトに見切りをつけてしまいますし、評価を低くして、SNSでその怒りを投稿してしまいます。
 
Netflixの成功の鍵と言われているのがレコメンド機能であり、パーソナライゼーションが高く評価されているからと言われております。

会社に対する帰属意識は薄い傾向

一時期話題となったTVドラマで、銀行員が「倍返しだ」と言って意地悪をしてくる上司たちと戦うドラマがありました。
X世代は、従順に会社の指示に従ってきた自分の姿と重ね合わせて、スカッとする!と毎週欠かさず見ていたのに対し、Z世代は、「時代劇ですよね、昭和の。あんなに嫌な人間ばかりで、あんなに優秀なら、なぜあそこまで会社にしがみつくのか理解できない」という感想で、X世代が武士の時代劇を見る感覚で、そのドラマを見ている状態でした。
 
また就職活動においても「ファースト・キャリア」という言葉を頻繁に使います。
自分のキャリアをどうしていくか、最初のステップとして選ぶ会社というスタンスで、市場価値を高めるために自己成長できる会社や楽しく働ける会社として、最初のステップの会社を選ぶ、合わなければすぐにやめればいいというスタンスをもっているようです。

Z世代のサスティナビリティに関する考えを理解し、企業の価値観をアップデート

またZ世代の大きな特徴の一つが「社会問題への関心の高さ」があげられます。
貧困、人種差別・ダイバーシティ、気候変動・環境問題などについての関心が他の世代よりも高く、SNSを活用して積極的に声を上げることもしています。
環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの演説や活動が注目され話題にもなりました。
 
Z世代の1件のツイートや投稿によって、瞬く間に炎上し企業の成長を止めてしまうこともあります。
もちろん逆に企業を成長させる力もあります。企業による在庫処分が炎上して不買運動につながるといったことがニュースになることもあります。
逆に、あるスポーツブランドは人種差別を訴えたあるスポーツ選手をわざとCMに起用してZ世代のロイヤリティを高めたケースなどもあります。
 
Z世代はSDGsの17項目などの社会問題に対して、その企業がどのようなスタンス、考え方、行動をしているのかを見ており、もちろん価値観に合わない考え方、行動であれば、怒りを感じSNS上で大きく炎上していきますし、価値観に合えばその企業に対するロイヤリティを高めます。
社会問題に対して企業としての方針、スタンスなどをしっかりと表明している企業に対しては信頼しますし、逆に表明しない企業に対しては「ずるい会社」というレッテルを貼ります。
 
万が一、日本ではまだまだ人口の15%としてあまりZ世代を意識せずに、購買力の高いベビーブーマー世代やX世代の価値観に合わせたままで企業の方針やスタンスを発信してしまうと、あっという間に炎上する可能性があります。
企業の一つの行動や発言があっという間にSNSに拡散され、炎上し不買運動につながったり、逆に称賛されてロイヤリティを得られたりする時代であるため、学ぶべきはZ世代の価値観なのです。企業の価値観をアップデートしていくことが求められます。

Z世代から学ぶためのワークショップ

Z世代に向けた、または若手に対する施策を考える際に、よくある落とし穴が、「X世代が会議室に籠って施策を考える」ことです。
Z世代のニーズや考え方に関しては、Z世代に聞くのが早く、正確なニーズが収集できます。
我々もクライアントからの依頼から、学生や社会人のZ世代のメンバーを集めて、当該クライアントに対しての社会問題に対するスタンスや活動についてのワークショップを実施しております。
もともとは『商品開発』や『採用活動』のために行っていたワークショップを発展させて、『企業のサスティナビリティ』に関するブランド構築にも応用しております。
 
「Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにはまるのか?」(光文社新書)の著者であり、弊社の顧問でもある原田曜平さんにもワークショップに入ってもらうこともあります。
そのワークショップでZ世代の生の声を聴き、施策を打ち出していきます。
STEP1で実態解明として2セッション実施し、そこから企業の課題などを洗い出し、STEP2で施策検討・アイディア出しとして2セッション実施し、施策を作っていきます。

【図1】Z世代から学ぶためのワークショップの進め方

学生、社外の社会人、社内の3領域からZ世代を集めて、当該企業に対する社会問題への対応、スタンス、行動について、イメージや印象、事実に基づく感想などを洗いだしていき、課題を「視える化」していきます。
その後、引き続きZ世代メンバー中心に、視える化した課題についてどのように施策を打つべきかのアイディアを出していきます。
 
Z世代から学ぶためのワークショップについて、もしご興味があればお気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者

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