人材ポリシー

1.人材ポリシーとは何か

人材ポリシーとは、企業が自社の価値観や哲学を根底に、人材・人事のあるべき姿や方向性を指し示したものです。したがって企業が導入する施策・プログラムがどのような意図を持つものなのかということにも関わります。人材ポリシーに基づき、人材のあるべき姿や求める要件、行動規範、これらに対する人事の具体的な方針が定まります。また、各企業の人材ポリシーは基本的に公開されるため、誰もが企業の人材に対する考え方を知ることができます。

2.なぜ人材ポリシーが必要か

人材ポリシーの策定は、社の内外に対して、よい効果を与える見込みが高いからです。
社内では人材ポリシーが人事制度策定の軸として機能し、企業の方針と矛盾しない一貫した制度の策定を助けます。一貫した人事制度の策定によって、社員に求める要件を的確に社員に伝えることができます。社員が迷わずに社の方針を理解し行動できるため、社内環境の向上と社員の意欲拡大に寄与し、業績向上につながります。
社外では公開された人材ポリシーが企業のイメージ向上を促します。人材ポリシーを公開することで、企業の理念や取り組みを顧客や投資家、求職者に伝えることが可能です。理念への共感は、顧客の意思決定、投資家の投資判断、求職者との適切なジョブマッチングにつながります。

3.人材ポリシー策定の際に注意すべき点

人材ポリシーの策定で注意すべきことは、理解の容易さ、企業方針の的確な表現、企業内状況の正確な把握です。
まず、人材ポリシーは公開前提で策定するため、社内外の誰が読んでも同じように理解できる必要があります。そのためには簡潔な言葉で書かれていることと、解釈が一意になることが大事です。主述を明確にして、わかりやすい表現を心掛ける必要があります。国内外問わず理解を獲得するためには英語を中心に多言語に対応する必要もあります。
次に、人材ポリシーは企業の方針を社内外にアピールするチャンスでもあります。企業のビジョンやミッションを的確に表現することで、社内外に企業についての正確な理解を促せます。
最後に、人材ポリシーのあり方を考える際には、改めて企業の持つ理念や目的意識、人事に期待されること、現在の社員の量や質、エンゲージメント指標を確認することが大事です。これらの情報をインプットすることによって、人事思想が明確になり、より的を射た人材ポリシーの策定が可能になります。

4.人材ポリシーに含めるべき要素

人事基本方針は絶対に含めなくてはなりません。人材ポリシーの定義通り、「企業が求める、人材・人事のあるべき姿や方向性」の大枠を示すためです。
さらに、社員に求める価値観や評価基準、社員教育を含め、社内人材に求める要件を示す必要があります。また、採用体系や求める人材像を含めることで、求職者との的確なジョブマッチングを図ることができます。

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