電子部品メーカーにおける基幹システム・生産管理システム再構築

レイヤーズ・コンサルティングの基幹システム、生産管理システム、ペーパレス化の推進に関する支援事例をご紹介します。

◆ この事例のポイント

  • クライアント:電子部品メーカー
  • 課題:事業・拠点間で業務がバラバラ、システム未活用
  • 対応:グループ標準業務を定義、新基幹システム導入を推進
  • 成果:新システムが導入され、グループの業務の効率化を実現

クライアントが抱えていた課題

当クライアントでは、以下のような課題がありました。

 

【課題①】事業・拠点ごとに業務の進め方が異なり、非効率が横行
【課題②】既存システムが活用されず、紙帳票やExcelが多数残存
【課題③】海外拠点の業務・使用ツールが本社で把握できていない

 

当クライアントは2つの事業を有しており、国内本社の他、海外3か国4拠点で生産を行っており、ここ数年で事業規模が急拡大し、今後さらなる成長が期待できる状況でした。一方、既存の生産管理機能を有する基幹システムは約10年前にミニマムの期間・内容で導入したものの、活用できているのは一事業の一部業務にとどまり、各拠点で別々にシステム開発(全拠点で合計200以上)やExcel、紙帳票を乱立している状況でした。加えて、この個別最適化された現状を把握している人財がおらず、各拠点でどの業務でどのツールを使用しているのかについても、ブラックボックス状態となっていました。

 

こうした状況下で経営層は、労働人口減少下で事業拡大を狙うため、業務効率化によって現行の人員体制でも業績拡大できる仕組みを求めていました。その一環で、既存の基幹システムの保守期限が迫ることも相まって、グループ全体での業務の全体最適化とそれを支える新たな基幹システムを、【図1】を対象範囲として遅滞なく導入する必要がありました。

【図1】本事例におけるシステム導入対象範囲

レイヤーズのアプローチ

①システム導入目的の明確化

基幹システム導入と聞くと、どのようなシステムを作り上げるか、システムありきで考えてしまいがちです。また、社内でもシステムに対する期待が異なり、導入途中で意見が食い違って暗礁に乗り上げてしまう失敗パターンが散見されます。

 

本プロジェクトでは、基幹システム再構築をグループ全体の情報戦略活動と位置付け、まず「何を実現したいのか」という目的・旗印を、各拠点の経営層、IT部門、業務部門それぞれから業務実態とニーズを吸い上げ、目標設定とそこに到達するための問題点と解決の方向性を基本構想として、三者間で認識を合わせました。

 

次に構想に基づき、基幹システムを軸としたグループ全体での新たな標準業務を作り上げました。その一環でガラパゴス化した個別システム(全拠点で約200件)・帳票(基幹システムに関連するもの約80件)の分析を行い、廃止するもの、基幹システムで代替するものの範囲を定めました。その後、定めた業務要件をもとにクライアントの業務に最適なシステムと導入ベンダー選定を主導し、ベンダー参画後はクライアントとの橋渡し役としてプロジェクトの円滑な推進の一翼を担いました。

【図2】個別システムと帳票削減

②工場間での業務の相違点視える化と標準化推進

当クライアントは、事業間での生産形態の違いに加え、同一事業内でも工場ごとに生産設備や使用ツールが異なる状況で、さらに各拠点の実態を誰も把握できていませんでした。業務の標準化・統一化がされないこの状況のままでは、基幹システム導入したとしても、生産性向上はかないません。特に生産領域についてはその傾向で顕著であり、生産実態の可視化も困難です。

 

この状況を打破するため、実際に3か国4拠点に足を運び、各工場の製造現場を視察して、設備の数や配置、製造指示・実績の入力・管理方法を詳細に確認しました。すると、本社で把握していない独自のツール・帳票を使用している、あるいはシステムの使い方が異なる【図2】といった実態が明らかになりました。これをもとに現地担当者と新システムでの業務のディスカッションを重ね、基幹システムの利用範囲を理解いただき、個別システムとのすみ分けを定めました。また、現地往訪後も各拠点の担当者と、グローバルでの新たな業務の議論を重ね、最終的にグループ全体での標準業務を定義しました。

【図3】海外拠点での業務実態を視える化

成果と顧客満足

上記のアプローチを経て、事業間・拠点間で独自で進められていた業務を、基幹システムを軸としたグローバルでの標準業務を定義し、関係各所と合意しました。
また、乱立していた個別システムのうち約2割を基幹システムでの代替または廃止、帳票は半分以上を廃止・システム機能での代替を実現しました。

 

こうした活動を通じて、顧客からは以下2点について特に評価いただきました。
まず、これまでシステム利用がほぼできていなかった事業について、現状業務を丁寧にまとめ上げ、それをもとに両事業共通の標準業務を定義した点です。当初クライアントからは、事業間で生産や調達方式が異なるため、業務の標準化に懐疑的でした。しかし話を聞き進めると、そもそも共通点は一定数あり、相違点についても違える明確な理由がないものが多く見られました。そのため、両事業で横串を通す形で標準業務を定義するに至りました。

 

もう1点は、海外各拠点の業務実態を調査し、かつ基幹システム再構築への機運を高めることができた点です。先述の通り各拠点に足を運んで現場を視察し、現地担当者への丁寧な説明が業務標準化の礎となり、本社でも拠点の実態を把握することができました。このように、社内でナレッジが不足している箇所に積極的に入り込み、基幹システム導入活動に取り込んだことを特に評価いただきました。

この事例について問い合わせるこの事例について問い合わせる 最新情報をお届け!メルマガ登録最新情報をお届け!メルマガ登録

関連するコンサルティング事例

お仕事のご相談や、ご不明な点など、お気軽にお問い合わせください。
セミナー開催予定など最新ニュースをご希望の方はメルマガ登録をお願いいたします。