衣料製造卸におけるIT基盤再構築支援
クライアントが抱えていた課題
クライアントは某社に買収されましたが、某社が要求する商品・原価管理のレベルに届いていませんでした。また、クライアントは基幹システムを有していたものの、実際の運用はExcelやメールによってなされており、基幹システムには情報がすべて入力されているわけではありませんでした。
さらに、実際運用は事業部、ひいては担当者によって微妙に異なっていました。
クライアントの取引形態は複雑であるため、基幹システムは入力検証を弱め、例えば発注情報がなくても入荷ができる状態になっていました。このため、システム上の在庫データと実際在庫が異なっている状態でした。
また、基幹システムはIT部門が内製しており、システム機能の知識はIT部門内にあるものの、設計書等のドキュメントはほとんど存在しない状況でした。
この状態では、某社が連結決算を行うレベルに届かず、1年半以内の対応が求められました。
レイヤーズのアプローチ
当社の参画時に検討されていた方向性は、現基幹システムを廃棄し、業界で実績の多いパッケージ製品を導入するものでした。当社は下記の理由でこれに反対しました。
結局、現行システムを温存し、不足機能を外付けする当社案に決定しました。
- クライアントの業務全貌が不明では、パッケージ製品の機能網羅性を検証できない
- 現行システムからパッケージへのデータ移行期間をとれない
- パッケージを入れた場合、クライアントのIT部門では運用できない
- システム機能はIT部門の頭の中にある。必要な機能要件・インタフェース要件をIT部門に伝え、ピンポイントで改修点を特定したほうが安全かつ確実
当社は現行業務の標準化・効率化と現行システム改修指揮を担当し、現場部門の業務を把握しつつ、PMOからもたらされる連結要件や内部統制要件を加味し、IT部門に改修要件として伝達しました。
成果
事業部間の業務統一に成功しました。また、その過程で事業部のシステム化要求を吸い上げ、中期的なIT化要件に取りまとめて、一部を実現しました。現場部門の代理人として管理部門・PMOと折衝し、現場部門から「もっとも当社業務を熟知したコンサルタント」と称賛され、2年弱の長きにわたり関与させていただきました。某社配下の別子会社の改革案件に関与を打診され、実際関与することにもつながりました。
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