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次世代型シェアドサービスセンター(SSC)への変革
~専門家集団としてのシェアドサービスセンター~

20年くらい前から管理部門の間接業務をシェアドサービスセンター(SSC)として巻き取る取組みが行われてきましたが、成功している事例は少ないと言えます。
そもそもシェアドサービスセンターの設立目的がコストダウン目的でありながら、コスト面からは各社からの人員を切り出す誘因が乏しく、遅々として集約化が進まないのが実状です。また、そこで行われている業務は定型業務が多いことから、メンバーのモチベーション低下も問題になっています。
今回は、こうしたオペレーション型シェアドサービスセンターを専門家集団として生まれ変わらせる次世代型シェアドサービスセンターへの変革ポイントを御紹介致します。

その道の専門家集団を創る

グループ経営と言われて久しいですが、管理部門がグループ最適な形態になっている企業は少ないと言えます。総務部門、人事部門、経理財務部門、法務部門などの管理部門がグループ各社に存在しており、各社では数人程度であってもグループ全体では、数百人、数千人の規模になる会社が多く見受けられます。
しかし、グループ各社でみれば、人事、経理財務、法務等といった分野で専門性の高い人財を確保すること困難であり、業務としての専門性の維持が困難になっていることも多く見受けられます。そういう意味では、管理部門は多くの人員がいるのに、専門人財が少ないといった専門性のジレンマに陥っているといえます。
専門性の高い人財が、先程の数百名、数千名いたとしたら、如何でしょうか。全く新しい風景がみえるのではないでしょうか。このように、シェアドサービスセンターは、オペレーションを中心に考えるのではなく、専門性の高い集団として創り変え、専門性の高いサービス等を提供する組織だと考えることが重要です。

【図1】専門性のジレンマ

【図1】専門性のジレンマ

管理部門のミッション・目指す姿の明確化と3つの役割

管理部門を変革する場合、まずは、管理部門のミッション、目指すべき姿を明らかにする必要があります。グループとしての価値を創造する役割として何をする部門なのか、3年後、10年後に目指す姿は何かを明確化しなければいけません。これにより、管理部門のメンバーの方々が自らの存在意義を認識し、日々の仕事を工夫していく風土が生まれます。
管理部門のミッションを明確化した上で、そのミッションを果たすため役割を、3つの観点から定義することが重要です。
具体的には、ビジネスアドバイザーとしてのBP(Business Partner)、専門家集団としてのCoE(Center of Excellence)、オペレーションを担うOPE(Operational Excellence)と言った観点から役割を定義します。
現状リソースの配分が、OPEに集中していることが多いため、これをBPやCoEにシフトしていく必要があります。
また、一般的にBPは事業ラインに合わせて配置し、CoEとOPEはシェアドサービスセンターとして本社やシェアドサービス会社として配置します。従来型のシェアドサービスセンターは、OPEが中心でありCoEの役割を軽視していたとも言えます。OPEで実施する業務については、更にBPOしていくことも必要です。オペレーションも単なる作業ではなく、自社で行わなければいけない業務のみ残し、これを磨き上げた業務に変えて行くことが重要です。

【図2】3つの役割(BP、CoE、OPE)

【図2】3つの役割(BP、CoE、OPE)

シェアドサービスセンターへの業務移管・集約

シェアドサービスセンターに業務を移管するか否かは、業務が場所に依存するかどうかで判断します。昨今のコロナ禍で、各社でリモートワークを推進してきましたので、数年前より各段に場所に依存しない業務が増えているため、シェアドサービスセンターへ業務の移管は良い機会と言えます。移管・集約化する業務には、CoEとしての業務とOPEとしての業務が含まれます。また、BPとしての戦略的業務は、支援先のビジネスラインを考慮して配置を決定します。
集約化においては、標準化して集約化か、集約化して標準化かの問題もあります。一般に、標準化してから集約しようとすると、現場の標準化への抵抗にあい結局集約化が進まないケースが多く見受けられます。一旦は現状業務を変えずに切り離し、SSCに集約することが成功のポイントです。
先ずは、業務を切り離すことを優先しますが、集約化後はプロセスの標準化・自動化を推進します。具体的には、業務の切り離しは各部署単位で行い、SSCでは業務別担当として業務毎に標準化・自動化を推進していきます。
今のままでは集約化できない部署の業務は、標準業務モデルができた段階で、標準業務モデルへの変更と集約化を推進します。

【図3】集約化と標準化

【図3】集約化と標準化

シェアドサービスセンターの人財活性化

弊社の調査では、例えば経理財務部門の方々は、将来的に望む姿としてスペシャリスト、マネジメント、ビジネスパートナーを希望しています。従って、シェアドサービスセンターの人財活性化のためには、将来的に望む姿になるためのキャリアプランを明示し、そのための専門的知識・スキルを体系的に習得するプログラムを用意し、専門性を高めていくことが重要です。
また、人財活性化のために、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用することも有効です。コア業務、ノンコア業務ともにBPOを活用します。
一般にコア業務は、SSCにおけるCoE(Center of Excellence)としての業務となりますので、外部専門家を活用し、高スキル人財不足を解消します。外部の専門家と接触は、知の刺激やロールモデルの提示として人財活性化に効果的です。
ノンコア業務はSCにおけるOPE(Operational Excellence)としての業務となりますので、定型的な業務をBPO化します。弊社の調査では、定型的業務が増えるほど社員のモチベーションは低下しますので、BPO活用は社員のモチベーションアップにも有効な手段となります。

【図4】将来的に望む姿

【図4】将来的に望む姿

まとめ

最後に次世代シェアドサービスセンターへの変革事例をご紹介します。
ある企業グループでは、小規模な子会社数が多く、グループ全体ではかなりの経理人員がいましたが、会社ごとで見れば人数も少なく、各社が独自に専門性を維持することが難しい状況に陥っておりました。そこで、グループ経理人員をシェアドサービスセンターに集約することで、専門知識の学習の余力も生まれたほか、専門性の高い業務の経験も蓄積され、専門的スキルの維持向上もできるようになりました。社員の方々はそれぞれ、経理財務のプロを目指し、モチベーションもアップしながら仕事に取り組まれています。

以上、オペレーター型シェアドサービスセンターからスペシャリスト集団型シェアドサービスセンターへの変革のポイントをご紹介させて頂きました。更に詳しいポイント等にご興味ある方は、是非お問合せください。

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