SAP S/4HANA
SAP S/4HANAとは
SAP S/4HANAとは、SAP社のERPソリューションの一つで、現在日本で2,000社以上が導入している「SAP ERP」の後継となる最新のERPです。2027年12月にSAP ERPの保守サポートが終了すること(2027年問題)を受けて、新しいERPであるSAP S/4HANAへの移行が急速に進んでいます。
SAP S/4HANAは、複雑化し続ける現代のビジネス環境に対応するため、従来のERPの延長線上ではなく、全く新しいアーキテクチャーで再構築された次世代のERPソリューションです。
SAP S/4HANAの特徴
1.インメモリデータベース「SAP HANA」を採用したことによる高速処理
SAP S/4HANAは、「SAP HANA」と呼ばれるインメモリデータベースを採用しています。
インメモリデータベースは、従来のオンディスクデータベース(HDDなどのディスクストレージにデータを格納するデータベース)と異なり、メインメモリ(RAM)上で全てのデータを保有・処理することで、圧倒的に高速な処理速度を実現したものです。
従来のERPソリューションの処理速度を遥かに上回るSAP S/4HANAは、SAP社から「ゼロレスポンスタイム」として宣伝されています。
2.同一基盤内での分析・レポーティングの実現
従来のSAP ERPにおいては、分析やレポーティングを行うために、ERPとは別にデータウェアハウスを構築する必要がありました。一方、SAP S/4HANAでは、同一の基盤において分析やレポーティングを行えるようになり、経営戦略を決定する上で必要な情報をスピーディに収集することが可能になりました。
3.クラウドに対応
SAP S/4HANAは、オンプレミスに加えてクラウドでの運用が可能になりました。
オンプレミス型の利点(カスタマイズ性・セキュリティ管理等)・クラウドの利点(コスト・導入スピード等)を踏まえて、企業に合った導入方式を選択することが可能になりました。
SAP S/4HANAの将来性
SAP S/4HANAは、リリース直後の1年間において、全世界で約3,200社がSAP S/4HANAを採用したと発表されました。MicrosoftやGoogleなどの世界有数の企業にも採用されています。
2027年問題への対応としては、SAP S/4HANAへの移行は唯一の選択肢ではありませんが、最新のERPソリューションであるSAP S/4HANAへの移行は今後も増加し続けると思われます。