計画が利益を生む!?Planning DXの真髄

年度末を迎えるにあたって次期計画策定・管理業務というものは担当者の皆様にとって煩わしいものではないでしょうか。
経営管理部門にとっては、各事業部・子会社から提出された計画数値のとりまとめ、経営層が出したトップダウンの数字との調整業務 等、逆に事業側担当者からすると、普段自分たちが使っているKPIとは少し異なる形での計画フォーマットへの数字の置換、入力業務 等、“勘と経験の力”でなんとか形にされていることも多いかと思います。
しかしながら、縦割りで行われる計画業務では、VUCAと呼ばれる今の時代には、タイムリーな対応・事業の舵取りは困難です。
 
今回は「利益に直結する」リアルタイムで一気通貫な計画策定のポイントをご紹介いたします。

コネクテッドプランニングという考え方

冒頭でご紹介した通り、計画業務はいわばチームプレーで行われるものであり、販売・マーケティング・サプライチェーン・財務・人事などの部門が、それぞれが必要な数字を必要な時間軸に沿って作り上げていくことで、全社としての計画数値が作り上げられるということは皆様も同様かと思います。

しかしながら従来の日系企業の計画業務においては、全ての情報、データを取りまとめて管理するのは経営管理部などの主幹部署のみであることが多く、主幹部署がそれぞれ独立して縦割りで作られた計画を勘と経験と膨大な工数を持って練り上げることになります。その場合は、販売計画や在庫計画など数値をリアルタイムで連動しながらの計画の作り込みは難しくなります。
例えば、事業部側の販売計画を達成するにはこの程度の人員増強が必要であり、人事としてはこの程度の役職の人員を何人程度ハイヤリングしなければならない…など整合性が担保されていない計画となってしまいます。

これに対して、“コネクテッドプランニング”と言われる考え方は、より部署間がリアルタイムで情報連携・連動しながら全社一気通貫で計画を作り込もうという考え方、手法です。

【図1】計画をつなげる(コネクテッドプランニング)

レジリエンスな対応が求められる生販在計画(PSI計画)

今回は、コネクテッドプランニングの考え方の中でも、サプライチェーンにおける製造・販売・在庫をコントロールするPSI計画の考え方について、特に焦点を当ててご紹介します。
PSI計画では、需要と供給に関する計画を同時に作ることで需要と供給のバランスを取り、欠品や過剰在庫を回避することが大きな目的になっています。

ではなぜPSI計画が重要なのでしょうか?
その一つの答えとして昨今のビジネスを取り巻く環境変化があります。
昨今の世の中の変化が大きい時代において、企業は消費者ニーズの多様化や競合企業との競争激化、地政学的要因など様々な外的要因により、非常に不安定な環境下での販売・生産・調達活動を強いられており、個社や現場の範疇を超えて、随所に経営判断を織り交ぜながら軌道修正を行う必要があります。
これまでの効率化・集中化したサプライチェーンでは環境変化に迅速に対応することができず、予測不可能な未来に対して対応可能なレジリエンスなサプライチェーンの構築が企業に求められるようになってきました。
ここでいうレジリエンスとは、品質を保持しつつ、”どこでも”製造ができ、”どこからでも”調達ができるというサプライチェーンを指します。
今までのしっかりと詳細な計画の立案に時間をかけるPDCA型の計画は立てるそばから陳腐化していく時代、といえます。状況を見て、判断し、意思決定して、行動していくOODA型に計画スタイルを変えていく必要があります。

有事の際に、定型のオペレーションにこだわらず代替生産・代替調達を輸送ルートや期間とあわせて検討し、需要側の優先順位を見極めた上で供給方法を決定するといった“グループ全社一気通貫でのPSI計画の変革”が重要となっています。

【図2】平時と有事のPSI計画

利益を生み出すPSI計画の重要性

しかしながら、多くの企業における一般的なPSI計画は、販売計画・在庫計画・生産計画、さらにその先にある経営計画等が、それぞれ各拠点、部門ごとに手作業で作られていることが多く、環境変化に迅速に対応することは非常に難しいオペレーションとなっています。

一般にメーカーでは、販売計画、在庫計画を調整する生販調整会議を毎週実施していることが多いと思います。そこでは、3か月~半年先の需要を予測し、販売計画を修正し、それらにアジャストするよう生産計画、購買計画などをアップデートしています。しかし、これらの計画の連動が多くの会社ではタイムリーに行われず、生販調整で計画をアップデートし先読みしても、経営計画のアップデート、着地見込のアップデートに活用されていないケースが非常に多いです。

例えば、本来であれば有事の際に、定型のオペレーションにこだわらず代替生産・代替調達を輸送ルートや期間とあわせて検討し、需要側の優先順位を見極めた上で供給方法を決定するといったグループ全社一気通貫での計画が必要です。
さらに、これに合わせて経営計画や着地見込などの金額的なインパクト情報をシミュレーションすることで利益を最大化する経営判断アクションが重要となります。

このような“利益を生み出すPSI計画”を実現するためには、まさに先ほど述べた“コネクテッドプランニング”の考え方が不可欠と言えます。

【図3】PSI計画と経営計画の連動

PSI計画実現を支えるシステム基盤

ここまで紹介してきたあるべきPSI計画プロセスの実現には、膨大なデータをリアルタイムに処理・連携することが不可欠になってくるため、もはや人出に頼った作業では環境変化に迅速に対応することは不可能といえます。
例えば、各種計画・実績情報のリアルタイムでのデータ把握、生産アロケーション実施のための損益シミュレーション機能、大容量データや複雑なパラメータ設定、など高頻度かつ短リードタイムで計算可能なアプリケーション基盤が必要となってきます。
またそのアプリケーション上でデータを運用するために、拠点・部門を超えた各種コード・マスタの統一やグローバル連結BOMの作成などグローバル共通でのデータ基盤の整備も必要不可欠となってきます。

こうしたPSIに必要な各拠点情報の収集・連携・蓄積の整備状況を踏まえて導入すべき最適なシステム基盤を検討する必要があります。
すでに必要データが基幹システム等に揃っていて、PSI計画に特化したシステムが必要な場合は、AnaplanやBlueYonderなどの計画系パッケージの中から自社のビジネスモデルに合ったものを選んでいくのが適していますし、まだ必要データが適正な粒度で揃っていない場合は、例えばSAPなどの基幹システムを導入し、それに並行してPSI計画機能を導入されるのがよいと考えます。
また、自社のデータ整備状況が不明である場合は、第三者によるデータのクイックレビューでの診断を基に最適なシステムを選定されることで、スムーズに手戻りなく導入が可能となるケースが多いと言えます。

このようなシステム導入により、例えば以下のような利益を生む効果が実現する、と考えています。

  1. 需要予測の高度化(AI導入等)による需要計画サイクルのスピードアップ
  2. 各部との計画のスムーズな合意・意思決定
  3. 物流拠点の能力、生産拠点の能力に即した確かな活動計画の作成
  4. オンラインコミュニケーションによるサプライヤー調整・合意の円滑化
  5. 経営インパクト(計画F/S)への即時反映・シミュレーションによる経営判断の迅速化

弊社では前段のクイックレビューからシステムの選定、導入まで、様々なフェーズでのご支援をお客様に最適な形でご提案するサービスを展開しております。
もし興味をお持ちいただけましたら、本ページリンクよりお気軽にご相談ください。

【図4】システム全体像イメージと効果例

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