2層ERP

2層ERPとは

2層ERPとは、企業グループにおけるERPをコアERPとサブERPの2層の組み合わせで構成する考え方です。コアERPとサブERPは、会社の規模や事業の種類によって使い分けます。本社や主力となる事業では1つのコアERPを導入し、その他の子会社などでは各ニーズに適合したサブERPをそれぞれ導入します。そして、コアERPとサブERPを連携することで、各子会社の柔軟な運営を確保しながら、グループで統合したデータの一元管理を実現します。

2層ERPの普及

データの一元管理と柔軟な運営の両立を確保する一方で、複数のERPを保持することはインフラ・運用コスト面での負担が大きくなります。従来はこの点がボトルネックとなり、柔軟なニーズに対応したサブERPの導入が実現できていないケースが多くありました。もしくは、子会社がバラバラのERPを使ってはいる“一見”2層ERP状態であるものの、M&Aを繰り返して各子会社がバラバラのERPとなっている中、現実はERPを統合したいのに実現できていない、結果としてコアERPとの連携も十分に構築されていない消極的、“結果論として”の2層ERP状態というケースも多くありました。
しかし、クラウドの登場によって、自社でのインフラの用意、運用が不要になったことで低コスト化し、これによって複数のサブERPを保持することが容易になりました。
これにより、2層ERPの普及は加速しています。

2層ERPの構成パターン

2層ERPの構成形態は、様々なパターンがあります。国内はSAPやOracleなどを使う一方で、中国などでは、現地のニーズに対応した用友、金蝶などを用いる、複数製品を組み合わせたパターン。もしくは、同じSAPを導入しながらも、小規模な拠点ではSaaS型で中堅企業向けのSAP Business ByDesignや中小企業向けのBusiness OneをサブERPとして導入し、コアERPはS/4HANA Cloudを導入するケースもあります。
製品の組み合わせやクラウド、オンプレミスの組み合わせ等、統合と連携と、柔軟性のバランスを見ながら決めていく必要があります。

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