エスディージーズ(SDGs)
SDGsとは
SDGsとは、Sustainable Development Goals の略称で、2015年に開催された国連持続可能な開発サミットにおいて、加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている国際目標のことです。日本では「持続可能な開発目標」と訳されています。SDGsは、2030年までに持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための17の目標と169のターゲットで構成されています。さらに、ターゲットの達成状況を測るための201の指標が存在します。
SDGs誕生の背景
SDGsは、2000年に国連サミットで採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)の流れを受けています。MDGsは極度の貧困と飢餓の撲滅や環境の持続可能性の確保等、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げていました。これらの目標に対して、世界全体で取り組んだ結果、極度の貧困で暮らす人々の数は19億人(1990年)から半数以下の8億3600万人(2015年)に減少、途上国の初等教育就学率は80%(1990年)から91%(2015年)に上昇、途上国の3分の2以上で初等教育の就学率における男女の格差を解消する等、一定の成果を上げることができました。しかし、国や地域、性別、年齢、経済状況等による様々な格差や、取り残されてしまった人々の存在が明らかになりました。このことを踏まえて、先進国・途上国を問わず、全ての国を対象にし、「誰ひとり取り残さないこと」を掲げたSDGsが誕生しました。
ESGとの違い
SDGsと混同されがちな言葉として、ESGがあります。ESGはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字を取った造語です。ESGは企業や投資家を対象としていますが、SDGsは企業や投資家だけでなく、国や自治体、国際機関、NGO等のあらゆるステークホルダーが関わるものになっています。そして、ESGに取り組むことで、結果的にSDGsという目標の達成につながっていくという関係にあります。
SDGsが重要な理由
SDGsが企業にとって重要なものである理由として、以下の3点が挙げられます。
- 新たなビジネス機会の獲得につながるため
SDGsが掲げるターゲットを達成するためには、数百兆円規模の資金が新たに必要です。さらに、再生エネルギーへの転換や廃棄物の再利用、金融やIT分野の技術革新等も必要になってきます。つまり、SDGsによって、新しい市場が創出されていると言えます。 - リスクの低減につながるため
SDGsの策定以降、気候変動対策や人権を保護するための様々な規範が生まれています。これらは企業の事業活動を縛るもののように思えますが、企業が受けるリスクを抑えるものとしての役割も果たしています。 - ビジネスの土台を形成するため
企業活動は、安定した社会基盤があることによって成り立っています。仮に著しく生態系が破壊されたり、紛争が多発しているような世界になってしまった場合、企業活動は大打撃を受けてしまいます。しかし、SDGsの達成に向けて企業を含めた主体が取り組みを進めることで、企業活動を行う基盤である安定した社会を守ることができます。
利益を上げつつ、SDGsの達成に向けて社会への貢献を行うことは、まさに企業にとっての最大の目的に合致しています。