3ピラー(CoE/BP/OPE)

3ピラーとは

3ピラーとは、HRT研究の第一人者であるミシガン大学のデイビッド・ウルリッチ氏が人事組織のあり方として提唱したモデルを指します。この3ピラーモデルでは、各事業部門に対する戦略的なビジネス変革を推進するBP(Business Partner)、給与計算・支給や勤怠管理といった定型業務を担うOPE(Operational Excellence)、人事制度や人材育成の専門家集団であるCoE(Center of Excellence)の3つの柱から成るというもので、多くのグローバル企業の人事で採用され、人事の効率化・高付加価値化を実現しています。

3ピラーモデルの効果

近年、ITの発達によるビジネスのスピード化やグローバル化、顧客の多様化などといったビジネス環境の変化により、その競争はますます激しくなっています。人事領域もビジネス変革に対応するため、従来の労務管理中心の人事から、経営戦略に連動して人財マネジメントを行い、競争優位性を生む人事、つまり「戦略人事」への変革が求められています。
3ピラーモデルは、この戦略人事への変革に大きく貢献します。事業に寄り添った戦略立案・実行を行い(BP)、そのために高い専門性を持ち(CoE)、一方で事務的作業は効率化する(OPE)ことで、事業を発展させるための採用や育成、配置を実現することができます。

3ピラーモデル導入のポイント

3ピラーモデルを人事組織に導入する際、3つの柱(BP/OPE/CoE)のそれぞれのミッション・役割が不明瞭では、業務の押し付け合いが発生してしまい、成果を出すことはできません。経営理念、中期経営計画や経営者へのトップインタビュー、ビジネス環境の変化などを踏まえて、人事機能に求められるミッション・役割を明確にし、そのうえで3つの柱のミッション・役割さらに責任と権限をきちんと定義することが重要です。また、ITシステムやシェアードサービス、アウトソーシングの活用を検討したり、それぞれの組織に最適な人材を配置したりすることもポイントとなります。

3ピラーモデルの導入事例

2012年ごろから、日立製作所では事業のグローバル化に伴い、それまで労務、採用、教育などタスクごとに組織を分けていた人事形態から、BPを中心に、制度企画部門のCoEと制度運用部門のOPEとの連携によって事業ニーズに応えるモデルへと変革を行いました。BP、CoE、OPEそれぞれの活用事例を共有したり、コアスキル研修を実施するなどして、事業のパートナーとしての人事の在り方を目指しています。

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