大手自動車部品メーカーにおけるグローバル最適地生産拠点検討
クライアントが抱えていた課題
製造業の堅調な成長に伴い、クライアント企業の中心事業である自動車部品製造事業は、成長の柱として、より確度が高い事業計画が求められていました。
一方、同社は長らくコストメリットの観点から中国・タイを製造拠点の中心に据えていましたが、人件費が高騰しコストメリットが薄れてくる中、顧客(自動車OEMメーカー)近接の製造拠点建設を急ピッチで推進していました。
また、社内に目を向けると、製造拠点ごとの保持情報の範囲・粒度はバラバラで、本社目線ではP/Lサマリーレベルの横比較しかできない、言い換えると、拠点を跨った全社最適視点での生産移管/ライン廃止/設備増強などの検討を行うための基盤が整っていませんでした。
そのような中、次期中期経営計画策定のタイミングが迫っており、経営陣は、「数字付きで」建設中の製造拠点を含む最適地生産の姿を描くことが必要な状況にありました。
レイヤーズのアプローチ
『将来の受注案件に対し、利益・EBITDA最大化の観点から最適な生産拠点検討に資する情報を提供する』ことを目的とし、将来の販売品目も含めた、品目ごとの調達・生産・販売の拠点変更などによる損益影響及び生産キャパシティーをシミュレーションするロジックの構築を行いました。
また、中期経営計画策定までの期間が迫っていたことから、3カ月という短期間で、ツール構築のみではなく、運用定義・定着まで、即ち実際にクライアント企業様にて活用できる状態にまで持っていきました。
具体的には、下記ステップでのアプローチとなります。
① シミュレーションシナリオの定義
② シミュレーションモデル(一次案)作成
③ 拠点保持情報及び取得可能性調査
④ シミュレーションモデル・ロジック最終化
⑤ シミュレーションツール構築(Excel・Access)
⑥ 運用定義・定着支援
ポイントは、前半の検討にウエイトを置き、
・ ①で今回必要となるシナリオをクライアントの経営層含め徹底的に議論し、過度・目的に沿わないパラメーターやロジックは全て排除したこと(必要十分なシミュレーションケースの設定)
・ ②③で拠点バラバラの工程や生産原単位をモデル化し、拠点横比較可能かつ収集情報をシンプルにする設計としたこと
にあります。
最終的に、図表2にあるようなシミュレーションツールを構築しました。
【図1】最適地生産シミュレーション構築のアプローチ
【図2】シミュレーション全体像
成果と顧客満足
このクライアント様においては、実際にこのシミュレーションツールを活用し、「本当に顧客近接の生産がコストメリットを最大化するのか」「将来的な受注を踏まえ、どこに工場を建設するのが合理的か」、或いは「生産拠点移管をした場合にキャパオーバーとはならないか(既存拠点設備投資は必要か)」などの議論を行い、次期中期経営計画を策定されました。
また、今回は期間的な制約からExcel・Accessを用いてツールを構築しましたが、定常的な事業計画策定・検証を行うためのツールとしてのブラッシュアップ及び、本ツール・ロジックをベースとした、将来的なシステム化の動きへとつながりました。


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