大手リース会社におけるグランドデザイン策定
システム構築の方針とコンセプトを明確化
クライアントが抱えていた課題
新システムの予算規模は100億円近く、年間利益の数倍でした。社運をかけた大規模開発であり、全社員が共有できる明確なビジョンが必要でした。
新たなシステムに期待するものは何か、限られた予算の中で取りうるオプションはどのようなものがあるのか、判断するための情報が求められていました。
開発期間も長く、関わる人数も多いだけに、途中でブレが出そうになったときに立ち返るためにも、明確なグランドデザインを関係者全員がしっかりと腹落ちすることが重要でした。
レイヤーズのアプローチ
次期システムの姿を決める上で、2つのインプットが必要でした。
1つ目は、「現状の経営課題・業務課題」である。これは、中期経営計画やユーザー部門とのディスカッションを通じて抽出を行いました。
2つ目は、「将来のサービスへの対応」です。10〜15年後を見据えて、将来想定される、または展開していきたい商品・サービスの方向性を各部門と検討し、システムの基本構造やデータ構造策定のインプットとしました。
上記インプットに加え、マネジメントからの次期システムへの要望事項、各部門の業務改革施策案を整理し、「システム化大方針」として、5つの狙いと11のコンセプト、58の実施項目に取りまとめました。
次にすべきことは、限られた予算の中で、最も投資対効果の高いオプションを選択することでした。
そのために、方針・施策の優先順位付けとオプションの検討を行いました。
優先順位は、経営層へアンケート調査を行い、コア機能の選定と11のコンセプトの優先順位付けを行いました。
上記を元に、大きく方針・施策を以下の4つに分類し、その組み合わせによりオプションを作成しました。
具体的には、「コア機能」、「優先度高」、「優先度低」、「担保すべき現行機能」です。
他社事例をベンチマークにして計算した業務効率化によるコスト削減効果と、システムの刷新によるIT維持コストの削減効果を主な効果とし、各オプションごとのシステム構築費用と保守費用を見積もり、各オプションの投資対効果を算定しました。
結果、判断基準が明確になり、経営層からユーザー部門までが納得する意思決定を行うことができました。
また、短期間で、経営層からユーザー部門までを通して、次期システムの方向性のコンセンサスを得なければならなかったのですが、IT部門だけでなくユーザー部門を巻き込んだ課題・施策のディスカッションや、中間や最終報告だけでない月に数回以上の経営陣への報告・情報共有により、スムーズな検討と合意形成を図ることができました。
成果と顧客満足
経営層の要望からユーザー部門の声までを反映した、次期システムの姿を短期間で作成し、目指す姿の全社的な共通認識を形成することができました。
そのことが、その後のシステム構築において、方向性や仕様がブレそうになったときの礎として非常に役に立ちました。
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